孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 第4話
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たのは――先ほど床を殴り砕いていた、あのアイアンザックだった。
ただでさえ大柄なアイアンザックは、元々装着していた外骨格の上に、さらに巨大なアーマーを「二重」に纏っている。より凶悪になった大型外骨格の面相は、見た目以上の迫力を見せていた。崩落の混乱に乗じて、彼はさらに強大な外骨格を「重ね着」していたのである。
「……これこそ、我が『スパルタン計画』の最高傑作。仮面ライダーSPR-30こと、『ミサイルスパルタン』の真の姿……『フォートレスフォーム』だ」
「……どの辺が『ミサイル』なのかは知らねぇが、随分と物騒なマトリョーシカだな。そいつがあんたの切り札ってことか?」
「半分は、な。私の計画はまだ完成には至っていない。このミサイルスパルタンの真価を発揮するには、もう一つのピースが必要なのだよ」
「へぇ……? どうやら、あんたの計画は志半ばで頓挫することが確定しちまったようだな。完成前から俺達に見つかっちまったからにはよッ!」
速攻で決着を付けるべく、オルバスは一気に距離を詰めてエンジンブレードを振るう。しかし彼の刃がアイアンザックに届くよりも速くハッチが閉じられ、切っ先が弾かれてしまった。厚く強靭な巨人の装甲は、エンジンブレードも通さないほどの硬度であるようだ。
「ちっ……! 見掛け倒しであって欲しかったぜ!」
「御期待に添えず何よりだ。……そう言えば先ほど、どの辺が『ミサイル』なのだと言っていたな。教えてやろう」
並外れた防御力に舌打ちしながらオルバスが後退した瞬間、歪な駆動音と共に起動したミサイルスパルタンが、全身の装甲を展開して行く。両肩、胸部、大腿部、爪先、頭部の装甲。それら全ての装甲によって隠されていた、ミサイルポッドが露わにされた。さらに後方の壁面から伸びて来た2本のロボットアームが、巨人の両腕部に大型ミサイルランチャーを取り付けて行く。
「……あぁ、そういうこと?」
仮面の下で頬を引き攣らせたオルバスが、乾いた笑みを浮かべた瞬間――全門から一斉に発射されたミサイルの大群が、彼目掛けて一気に襲い掛かって来る。猛烈な爆炎がこの地下格納庫を照らしたのは、その直後だった。
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