やっぱり僕は歌が好き 第二十三楽章「一部の方々はチケット代を前払いで支払ってる」
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ラッセル君に聞いたと思われる美術科の生徒も結構な人数居る様子だ。
きっとあの二人も何処かに居るんだろうと思い舞台上から見渡して探す。
そんな私に気付いた陛下は、舞台上を下から照らしてる照明器具のスポットライトを一つ左手で持ち上げると、客席奥の方を照らしながら右手に持ったマイクで聞こえる様に『そこのカップル。イチャつくんだったら家でやれぃ! この時間は音楽鑑賞だぞぅ』と言ってあの二人の位置を知らせてくれた。
『陛下達ほどイチャイチャしてないッスよぉ!』
ってラッセル君が応えたのが笑えたわ。
そんな感じで緊張も消え、私は心身共に準備万端……いよいよ時間だわ!
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無事に演奏も終わり、陛下もアイリも当然の様に格好良くフィニッシュをキメる。
私も……私なりにスタイリッシュさを醸し出したと思っているが、それでもやっぱり主役であるMGとMBの演奏には憧れを感じている。
講堂内がスタンディングオベーションで湧きまくる中、程よいタイミングで観客等を両手で制する様に落ち着かせ、陛下は今回の目的を進める。
勿論それは、教える立場になる者を育成する為の生徒募集だ。
本年度を以て芸高校の音楽科を卒業する予定の4年生の中から、MG5名・MB5名の計10名を選ぶ。
その10名は陛下直々に教わることとなり、約半年後にある卒業式を終わらせれば晴れて芸高校の教諭として正式に雇ってもらえるのだ。
明言はしてないが、従来のギター・ベース……今後はAG・ABと呼ぶが……それらを専攻している者から各3人を、AG・ABを一切習ってない者から各2人を選出するらしい。
勿論それには理由があって、純然たるギタリスト・ベーシストを育成するのであれば、当然だが多少なりともAG・ABに触れてきた者の方が適正値が高い……
だが、今回育成したいのはギター・ベースのスペシャリストでは無く、ギター・ベースのスペシャリストを育成する指導者を育成することであり、寧ろゼロから学んだ方が自身の経験として指導することを学べると陛下はお考えだからだ。
では何故、AG・ABを専行してる者も選出するのかというと、『教師からだけの教えで学べることは少ない』と陛下は仰ってました。
つまり一緒に切磋琢磨する同期が居てこそ、各人の技量が向上する
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