第一章
[2]次話
傷付いた犬達を幸せに
ヘンリー=スカウトは黒い髪の毛と髭のきりっとした顔立ちの男性である。農業を営みつつ生きものの保護活動をしているが。
その彼が親しくしている動物保護施設にシェパードの様な外見で白っぽい毛に口周りが黒い大型犬を抱いて血相を変えて来てスタッフに言った。
「この子を助けてくれないか」
「どうしたんですか、その子は」
「家の畑の傍でぐったりしていたんだ」
スカウトはスタッフに話した。
「それでなんだ」
「保護されたんですか」
「そうなんだ」
この事情を話すのだった。
「実は」
「そうでしたか」
「それですぐに」
「はい、診察してです」
「手当てをしてくれるな」
「そうします」
スタッフも約束した、そしてだった。
すぐに犬の診察をした、すると。
「喋るか何かで頭を殴られていて」
「そうしてかい」
「ぐったりしていました、ですが」
スタッフはそれでもと話した。
「何とかです」
「助かるんだな」
「後遺症もなく」
「そうか、じゃあ俺もな」
強い声でだ、スカウトはスタッフに話した。
「元気になったら預かって」
「面倒を見てくれますか」
「そうさせてもらうよ」
こう言って実際にだった。
彼は犬が元気になるとデニスと名付け自宅に引き取って世話をした、愛情を以て接した彼にデニスも懐き。
そうしてマーガレット=ダニエルという長いブロンドの髪の毛をパーマにしたスタイルのいい若い女性に家族として迎えられた、すると彼はスタッフに笑顔で言った。
「よかったよ」
「デニスに家族が見付かって」
「そうなってな」
スタッフに施設の中で話した。
「本当にな」
「それは何よりですね」
「いい子だからな」
今度はデニスのことを話した。
「明るくて人懐っこくてな」
「散歩も好きですね」
「殴られたせいか人見知りだけれどな」
それでもというのだ。
「凄くな」
「いい子ですね」
「だから幸せになって欲しいよ」
こう言うのだった、そしてだった。
彼の幸せを願う中でダニエルの好意でデニスに会うことになったが。
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