第二章
[8]前話
「それで、です」
「誰かの飼い猫とわかって」
「そのうえで、ですか」
「そちらの施設にですか」
「そうかと、それが誰かわかりませんが」
それでもというのだ。
「再会出来てよかったですね」
「そうですね」
「本当にです」
「また家族に迎えられて何よりです」
家族も喜んだ、そしてマーリーを連れて家に戻ってまた家族になったのだった。
この話を聞いたカルフォルニア州ソノマ郡に住んでいる木材業者のパトリシア=デュアンは家の中で妻のバタフライにこの話を紹介した、二人共初老の白人で大柄で髪の毛は白くなっている。夫は目が黒で四角い顔だ。妻は青い目で眼鏡をかけている。
そのうえでだ、ダークグレーと黒の虎毛の雄猫の頭を撫でつつ言った。
「オジーと同じだな」
「そうね」
妻はその猫を見つつ頷いた。
「言われてみると」
「そうだよな」
「ニャア」
オジーと呼ばれた猫も鳴いて応えた、そしてだった。
夫はさらにだ、妻に話した。
「この子は山火事で家が焼けた時に行方不明になって」
「そうしてね」
「それから六年行方がわからなくて」
「山火事の時にとも思ったけれど」
「別の家族が保護していてな」
「ずっと一緒にいてね」
「ある日マイクロチップに気付いて」
そしてというのだ。
「オジーだってわかって」
「私達のところに戻してくれたわね」
「マイクロチップがあれば」
夫は微笑んで話した。
「それでな」
「また会えることもあるわね」
「ああ、そう思うとな」
「マイクロチップはね」
「必要だな」
「そうよね」
夫婦で笑顔で話した、そうしてだった。
二人でオジーにご飯をあげた、その時マイクロチップを確認した。するとそれはちゃんと彼にあった。
マイクロチップは命綱 完
2023・7・16
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