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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第3話
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宮《バーンパレス》やピラァ・オブ・バーンの機能美や性能美を追求している様である。地上を完全確実に消滅させる為に。
(いきなり出鼻を挫かれる形になったな。ま、この点は俺がバーンの本気を診誤ったにも非が有るがな)
その結果、ハドラーちゃんはプランBに全振りする覚悟を決めた。
それは、アバンの使徒やアバン自身にちょくちょくちょっかいを出して彼らの成長を促しつつ、バーンの配下達をじわじわと嬲り殺し、最終的にはバーンをハドラーちゃんの眼前に引き釣り出すのである。
だからこそ、今回の様に死の大地の調査が空振りになった時の為に、あえて勇者アバンの旅立ちの切っ掛けであるフローラ王女誘拐未遂事件を起こしたのだ。
ハドラーちゃんにとっては、そのプランBの方が気晴らしの心算だったが……
(こんな遠大な計画の方に全力を注がねばならなくなるとはな……永い戦いになりそうだ……)

更にしばらくして、悪魔の目玉からキギロがアバンと交戦したとの報告が入った。
「ま、今回は上手く逃げられちゃいましたが、また向かってる来る事が有れば……よろしいですね?ハドラー様お気に入りのアバンの頸を斬ってしまっても」
それに対し、ハドラーちゃんは鼻で笑いながら了承した。
「だとすればそこまで。アバンは俺の遊び相手に成れる器ではなかった……それだけの話だ。好きにしろ」
「ハァイ!では、失礼!」
悪魔の目玉の報告が終わった途端、ハドラーちゃんが腹を抱えて大笑いした。
「クックックッ!観たかガンガディア」
「キギロの顔が、不自然に半分しか映ってませんでしたな」
キギロ(やつ)の強がり、なかなかに笑えたぞ……ここまで来い、アバン!」

一方、既に敗走を隠す為の嘘がバレている事に気付かないキギロが悪魔の目玉に八つ当たりをする。
「このチクリ魔共め!ボクが気付くのにもう少し遅れていたら……」
対して、キギロに理不尽に殴られた悪魔の目玉が逃げ出した。ただ真面目に現状報告をしていただけだと言うのに……
「ハドラー様にこの醜いお姿を御見せするところだったじゃないか!」
その後、空と地面(・・)を確認したキギロは、わざと仰向けに倒れた。
「だが、今は夜だ。よーしよし、ボクはまだツイてる!」
ハドラーちゃんがキギロに与えた使命。
それは、超巨大なマンイーターを使ったモンスター群の凶暴化。
地中に潜む巨大マンイーターが日中は地底で魔力を蓄え、夜間になると森中に張り巡らせた無数の根を使ってモンスター達に魔力を分け与える。そうする事でモンスター達は急激に力が増し、極端に大きくなる個体を発生させ易くするのだ。
そんなキギロの最後の切り札を遂にきろうとしているのである。

話をヨミカイン遺跡の魔導図書館に戻すと、ハドラーちゃんは1冊の本に夢中になって行った。
「良い……良い
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