第二話 にゃんぱいあその十一
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「吸血鬼さんですね」
「そうだにゃ。あの人だにゃ」
「兄上から外見は前に御聞きしていますが」
こう前置きしれから話す茶々丸だった。
「何日か前に見ましたが」
「えっ、見たって」
「その吸血鬼をか」
「はい」
その通りだとだ。茶々丸は二人に返した。
「何か猫を一杯連れていましたよ」
「その人だにゃ」
ここでまた言うにゃんぱいあだった。
「その人が吸血鬼だにゃ」
「猫を一杯連れている」
「わかりやすいな」
五代と一条も言う。
「それなら今から」
「探すか」
「そうしましょう」
こうした話をしてだった。二人はにゃんぱいあと茶々丸の協力を得てだ。
この世界を調べて回ることにした。しかしだ。
ふとだ。一条がにゃんぱいあと茶々丸に尋ねたのだった。
「今思ったのだが」
「何にゃ?」
「どうかしたのですか?」
「あの娘だが」
こうだ。美咲のことに言及したのである。
「君達、特ににゃんぱいあのことだが」
「僕がどうかしたかにゃ」
「君を見ても何とも思っていなかったか」
このことにだ。今気付いたのである。
「吸血鬼である君を見てもだ」
「それがどうかしたにゃ?」
「だからだ。吸血鬼というものはだ」
彼が話すのはこのことだった。
「そう簡単に受け入れられる存在ではないのだ」
「そうなのにゃ?」
「血を吸うのだぞ」
一条が話すのは吸血鬼のその性質のことだ。
「それでどうして簡単に受け入れられるのだ」
「僕そんなにまずかにゃ?」
「僕にもわからないです」
茶々丸は首を捻るにゃんぱいあにこう返した。
「けれどそうみたいですね」
「どういうことかわからないにゃ」
「若しかしてあの美咲という娘は」
「かなりの娘かも知れませんね」
五代もだ。腕を組んで言った。
「この子を普通に受け入れているんですから」
「例え吸血鬼であってもその本質を見る」
「そうした娘かも知れませんね」
「だとすれば」
どうなのかとだ。一条はさらに言った。
「この世界にはあの娘以外にもこの子達を受け入れている人間がいるのか」
「問題はそこにあるかも知れませんね」
何となくだ。二人もこのことがわかってきたのだった。そうしてだった。
彼等はあらためてこの世界を回りだ。手懸りを探していくのだった。
第二話 完
2011・8・20
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