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俺様勇者と武闘家日記
第3部
ルザミ
ナギの夢
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より一回りくらい年上に見えるヴォルグさんは、人懐っこい笑顔を見せた。なんとなく話しやすい雰囲気だからか、二言三言話すうちに、彼との会話は思いの外盛り上がった。
「へえ、そんなに若いのに、魔王を退治する旅をしてるのか。大したもんだ」
「でも、私なんかレベルもまだまだだし、ユウリに助けてもらってばっかりですから。それに弟と一緒に旅をしたときも、情けない姿ばっかり見せちゃうし」
「弟がいるのか?」
 突然、ヴォルグさんは私の顔をじっと見つめた。しばらく考え込んでいたが、やがてはっと何かに気づいたような表情を見せた。
「そうか、どこかで見たことある顔だと思ったら、この前とある大陸で出会った少年に顔が似ているんだ」
「え!?」
「確かにその子、ルカ君に似てるかもしれねえっすね」
 ヴォルグさんの言葉に、ナギと話していた男性の一人までもが、私の顔を覗き込んで何かを思い出したようにうなずいた。
「関係ない話なら気にしないでいいんだが、二か月ほど前、おれと島の仲間数人で漁に出たときに、嵐にあって遭難してしまったんだ。もうだめかと思ったが、数日後、運良くどこかの海岸に漂着した。そこで一人の少年と老人に出会ったんだが……」
「そ、それって……」
「少年はルカと言った。君と同じ黒髪で、目鼻立ちもとても似ていたんだ。もしかして、身内かな?」
「そ、そうです! ルカは私の弟です!」
 思わず大声でそう断言すると、ヴォルグさんだけでなく、周りの人たちも一斉にこちらに注目した。衆目にさらされ、私は顔から火が出るくらい熱くなった。
 ルカが言っていたルザミから来た漂流者とは、ヴォルグさんのことだったのだ。
「どーしたの? ミオちん」
 赤ら顔のシーラがきょとんとした顔で尋ねるので、私は今の話をシーラに伝えた。
「えっ!? じゃあその人が、るーくんのお店を作ったの!?」
「ああ。ついでに船が停泊できるように港も作っておいたんだ」
 そういえば、店だけでなくちゃんとした港もあった気がする。
「確かヴォルグさんたちって、漁をしてたんですよね? 家も建てられるんですか?」
 ヴォルグさんは苦笑しながらうなずいた。
「ここは小さな島だからな。漁だけでなく、生きていくためには何でも自分でやらないといけないんだ。島の男どもなら大体の力仕事は任される」
「女は女で、男には出来ない仕事があるけどね」
 フィオナさんの隣の女性が次いで言う。
「そうだったんですね。弟のためにありがとうございました」
「いや、礼を言うのはこっちの方さ。彼らがあそこにいなかったら、おれたちは見知らぬ土地での垂れ死んでた。彼らは命の恩人だよ。聞けば、彼らはあそこに町を作る計画を立てているそうじゃないか。だからせめてもの恩返しとして、町作りに協力したんだよ」
 そういう経緯があった
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