白い瞳の少女
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!?」
情けないほど取り乱してしまって、自分でも驚く。顔が一気に熱を帯び、きっと真っ赤になっている。足元がもつれて、慌てて体勢を立て直した。だって??
(何この人!?どこから出てきたの!?)
胸がどくん、と跳ねた。心臓が暴れてる。胸の奥で太鼓が鳴っているみたいな音が、耳の奥まで響いてくる。手のひらがじっとりと汗ばんで、無意識にドレスの布を握りしめていた。
(って、そういえばこの変な空間も意味わからないし!この人に誘拐されたの!?いやいやいや、私ってもう死んでて……!!)
思考がぐるぐると渦を巻く。可能性の断片が、頭の中を乱雑に駆け回る。現実と非現実の境界が曖昧になって、まるで夢の中をさまよっているような気分だった。
(あっ……そうだ、私ってもう死んだよね?)
その事実を思い出した瞬間、全身がすうっと冷えていく。けれど、次の瞬間??あるひとつの可能性が、心に灯った。
(……っていうことはこの人って天使!?悪魔!?お迎えってこと!?)
可能性の一つが頭に浮かんだ瞬間、なぜか希望のような感情が胸に湧き上がった。もしかしたら、もしかしたら??
「ねー、一旦落ちつ??」
少女が、優しい声で言いかけた。でも、もう止まらなかった。
「あ、あああの、もしあなたがお、お迎えに来たのなら!!よかったら、そのっ、えっと!」
声が上ずってしまって、自分でも何を言っているのかよくわからない。喉が渇いて、言葉がかすれる。少女の表情が、困ったような、でもどこか面白がっているような複雑なものに変わった。眉がわずかに上がって、口元に微かな笑みが浮かんでいる。
「お迎え!?うっは、どゆことー!!」
彼女はなぜか、とても楽しそうだった。肩を揺らして笑いをこらえるような、そんな軽やかさ。
「その!!お、お母さんのところか!!彼のところに!!」
必死に言葉を絞り出す。まるで祈りを捧げるみたいに、両手を胸の前でぎゅっと組み、少女を見上げた。縋るような気持ちだけが、先に走る。
「うぇ?」
少女が首をかしげる。小動物みたいな仕草。黒と白のツートンの髪が、その動きに合わせてふわりと揺れた。
「お願いします!!お願いします!!」
もう何がなんだかわからなくなって、ただがむしゃらに頭を下げ続けた。膝が水に浸かって冷たい感触が伝わってくるけれど、そんなことはどうでもよかった。ぱしゃぱしゃと水音が鳴るたび、自分の情けなさが響いてくるようで、余計に涙が出そうになる。髪の毛が顔にかかって、視界が遮られた。
でも止まれない。この人が「本当にお迎え」なら、もしかしたら??
「えーっとぉ……」
少女の声が、少しだけ間延びして頭上から降ってきた。
??けれど残
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