キキとブーバ
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マユカからの言葉に驚くダンであったが、
「僕がウルトラセブンだって?」
なんとかして話をはぐらかそうとする。しかし、
「お祖父ちゃんから話してもいい許可が出たんです。だから、モロボシさんに会いに来たんです。」
マユカは全てを理解している眼差しをダンに向ける。
「そうか。キリヤマ隊長と話せるのか。」
ダンは納得し、マユカに連れられてマユカの自宅へと向かっていった。
「ダン、この前はすまなかった。色々話したいことはあるが、まずは座ってくれ。」
キリヤマの言葉を聞き、ダンは椅子に座る。
「キリヤマ隊長、一体何があったんですか?」
ダンはキリヤマに質問する。
「話は、24年前に遡る。」
キリヤマは話を始める。
「ダンが地球を離れて間もなく、国際平和機構からノンマルト議題という書類が提出されたんだ。」
「ノンマルト議題?」
「そうだ。我々地球人は、他の惑星からの侵略者であり、先住人類のノンマルトを滅ぼした存在であることを認め、実働部隊であった我々ウルトラ警備隊は数多の武装を持つ危険思想の集団として扱われ、組織の解体を余儀なくされた。」
先住人類ノンマルト、我々人類がこの地球で暮らす遥か前から地球で暮らしていた先住民族である。この宇宙では、今生きている地球人は外惑星からの侵略者であり、ノンマルトを海底に追いやり地上を奪ったとされている。しかし、ウルトラ警備隊がノンマルトの存在を初めて認識した1967年の時点ではノンマルトと人類、どちらの意見が正しかったのかは不明であった。ところが、1999年になると事態は一変し、ノンマルトが先住民族である資料が一つ見つかり、それによって人類は侵略者であることが判明したのだ。
「だからといって、自ら防衛手段を捨てるなんて…」
「俺達だって、納得はできなかった。だが、国際平和機構の奴らは武装を捨て、対話だけで全て解決することが、ノンマルトへの罪滅ぼしだと言い張り、結果としてウルトラ警備隊は解体され、隊員達は昨日まで見張られながら暮らすことになったんだ。」
キリヤマの瞳はどこか遠くを眺めていた。
「ノンマルト議題については、社会の教科書にも載っている、教育内容になっているんだけど、今ではたった一つの映像だけで全面肯定するのは早計だったのではないかという懐疑派が出てきて、国際平和機構と揉めているの。」
マユカはキリヤマの話に付け足しをする。事実、ノンマルトの主張もまた、一方的なものでありノンマルトも自身が先住部族である証拠を出していないのである。幾万もの時の流れは、ノンマルトと人類の意見、どちらが正しかったのか、どちらも正しかったのか、どちらも間違っていたのか、知るすべを失っていたのだ。
「それからダン、いやウルトラセブンは我々ウルトラ警備隊に積極的
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