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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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 次の日の朝、練習に行って、璃々香先輩と顔を合わせたんだけど、私も先輩も普段と変わりなく

「山葵 今日の練習は私が相手よ!」と、

 もう少し、優しく話せないのかしらと、コートに入ったのだが・・。しばらくすると、先輩は私のベースラインぎりぎりに打ち込んできて、私は打ち返すのがやっとで、下がって打ち返すと、前にドロップショットで落としてきて、前に出てボレーしようとすると後ろのほうに打ち返してきて・・・。そして、私の必殺サーブも下がり気味で打ち返してきて、山なりのリターンをベースライン際に落として、簡単に対応されていたのだ。

「山葵 何をもたもたしてんの! 動くのが遅いんだよーっ! 蹴とばされなきゃーわかんないの! 調子に乗って、自分を甘やかしてんじゃぁ無いの!」と、罵声が飛んできた。そこには、昨日の夜の璃々香先輩は居なかった。夏の時の鬼のような璃々香だったのだ。その日の練習が終わった後も、私がへとへとになっているのに、頭の上から

「山葵 自分が相手によっては通用しないのが、わかったでしょ 私は、あなたの変な自信をずたずたにするから・・・ 明日も覚悟してなさいよ! 一から出直すつもりでね!」

私が、くじけてへたり込んでいる所に、1年生の皆が寄ってきてくれて

「先輩 ひどいよねー いつも 山葵をいじめるよーにネ ウチ等のエースやのにー」と、美湖ちやんが慰めてくれたけど

「うぅん 璃々香先輩は ウチを鍛えようと思って・・・でも、何が悪いんやろー」と、言ったものの私には、憎いのかどっちなのかわからなくなっていた。

「山葵 怒らないで聞いてね 山葵のサーブもスマッシュも素晴らしいワ でも、璃々香先輩は全部 読んでいるワ 山葵が何を仕掛けてくるのか だから、適当に受け流しておいて、隙をみて、スマッシュを決めてきていたの ごめんね 山葵 ウチ 何もわからんのにー 偉そうなこと言って」

「うぅん みく美 そうなんやー ウチ 自分のことばっかーで 相手の動き 見てへんかった なぁ ウチ 打つ時 癖があるの?」

「あんなー ウチ ずーと 山葵のこと見てるからわかるんやけど 山葵が仕掛ける時 わかるでー ジヤンプする時なんか すぐ わかる それとなー 必殺を出し過ぎで、相手も慣れてしまうんちやうかなー 初めての相手にはええけど、璃々香先輩みたいに、いっつも山葵のこと見てるから・・」と、麗香も言ってくれた。

「そうかー わかった ありがとー みんな ウチ 技に頼りすぎとった もっと 基本やらなあかんねな みく美のサーブなんか、ストレートでもすんごーぉ 威力あるもんなー  璃々香先輩もそう」

 その夜、私は自分の試合のビデオを見返していた。確かに、そのつもりで見ると、仕掛けようとする前が、わかるのだ、それに、サーブと
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