第3部
ルザミ
ナギの決意
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しか解読できなかったけどね。だけど、この祭壇がラーミアを復活させる場所というのは間違いない」
フィオナさんが放つ貴重な情報に、しかしユウリは不満げな顔でさらに尋ねる。
「他に何か情報はないのか? 例えば、その祭壇がある場所とか」
「それらしい地名なら、一つだけある。詳細は不明だが、説明文の中に『レイアムランド』と言う名前が記載されていた」
「『レイアムランド』? 聞いたこともないな」
「ああ。私も調べてみたが、この本以外の書物にその名前は出てこなかった」
博識なユウリだけでなく、数多くの本を所有しているフィオナさんですら知らない場所があるというのか。
「私も全ての古代文字を知っているわけではないからな。もしかしたら私の知らない文字の中に、重要な情報があるのかもしれない。けれどもうこれ以上はお手上げだ」
「そうか……」
ユウリもまた、これ以上は諦めざるを得ない様子でため息をついた。
「とりあえず、船で魔王の城に行くことが不可能な以上、オーブを集めるしか選択肢はない。残りのオーブの情報とレイアムランドについて僅かなことでもいいから探すんだ」
それから私たちは、目を皿のようにしながら本とにらめっこし続けた。私とナギは途中で居眠りをしてしまっていたが、ユウリとシーラはひたすら本を読み漁っていた。中には賢者に関するものやエルフの生態などについて書かれた本にも目を通したみたいだが、どれもオーブとは関係のないものばかりであった。
「皆、疲れただろう。今日はここに泊まって行きなさい」
皆集中していたからか、フィオナさんが声をかけて初めて、既に日が沈みかけていることに気がついた。
「せっかく実の息子が来たんだ。島の皆を呼んで、今夜はここで宴会でもしようじゃないか」
「わーい!! 賛成!!」
すぐに返事をしたのはシーラだ。宴会と言う言葉に反応したのか、目をキラキラさせている。かくいう私もこういうイベント事は好きなので、シーラに負けず劣らずウキウキしてしまう。
「そうは言うが……、この家にこれ以上人なんて入るのか?」
「なあに、ちょっと片付ければあと10人ほどは入るさ」
なんて軽く言っているが、どう見てもそんなに多くの人は入らなそうに見える。
「私は部屋の準備をしたあと島の人に声をかけに行くから、その間皆は二階で休んでてくれ」
「あ、部屋の片付けくらいなら手伝います」
すでに読み終わって積み上げられた沢山の本を片付けるくらいなら私でも出来るだろう。
「そうか。それは助かる。なら本の片付けと掃除をお願いするよ」
「ミオちんがやるならあたしもやるよ♪」
シーラも私と一緒に手伝ってくれるようで、思わず顔が綻ぶ。
「ありがとうシーラ。じゃあ、手分けして片付けよう」
棒立ちになっている男子二人を尻目に、私とシーラは早
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