第3部
ルザミ
ナギの決意
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っていた『大発見』の内容を尋ねた。
「ユウリ、シーラが言ってた『大発見』って、何のこと?」
「これだ」
無造作に私に渡してきたのは、一冊の分厚い本だった。何とはなしに片手で持とうとしたら、思いの外重くて身体が若干前に傾いた。
「それの985ページだ。オーブに関することが書かれているらしい」
彼の指示通りパラパラとページをめくると、見たこともない文字がびっしりと規則正しく並んでいる。今までこんなに沢山の文字が書かれた本を見たことがなかったので、眺めるだけで頭がくらくらした。
ナギやシーラも私のすぐそばに来て、頭を付き合わせるように本の内容を覗き込む。見開きのページには、文字だけのページと見たことのない建物の絵が描かれていた。
「なんだろう、この建物……」
おそらく絵の隣に書かれている文章は説明文なのだろうが、読めない文字なのでどんな建物なのか、はたまたどこに存在するのかも全くわからない。
「ミオちん、これは祭壇だよ☆」
私が悩んでいると、反応したシーラが答えてくれた。
「祭壇って、何かを奉ったり、捧げたりする場所だよね?」
「そうそう。ダーマでもそう言うのあったし」
確かに以前ダーマを訪れたとき、似たようなものがあったような気がするが、落ち着いて見てる暇もなかったのであまり覚えていない。
「彼女の言うとおり、これは祭壇だ。しかもただの祭壇ではない。この世界に古くから伝わる伝説の不死鳥を奉るものだ」
「伝説の不死鳥? なんだよそれ」
フィオナさんの説明に、ナギが面白くなさそうに尋ねる。ん? 不死鳥って確か……。
「もしかして、『勇者物語』に出てきた、不死鳥ラーミアのことですか?」
私が手を上げながら答えると、フィオナさんは満足そうに頷いた。
「ご名答。そもそも『勇者物語』はおとぎ話でもなんでもない。千年前に実際に起きた史実だ」
『!!??』
私は驚愕した。隣にいるシーラも目を丸くしている。それほどまでに『勇者物語』は、この世界の人間にとって最も有名で、最も身近なおとぎ話なのだ。
「……まあ、オーブというものがある時点で、ただのおとぎ話じゃないことくらいは察しがつくけどな」
そんなことを言っているユウリもまた勇者であり、彼もまた魔王を倒そうとしている。考えてみれば私たちのこの旅自体、勇者物語をなぞっているようなものなのだ。史実というのもあっさり納得できる。だけど『千年前』と、明確に年数が分かっている分、現実味を感じる。
「話を戻すと、この本に描かれている祭壇に6つのオーブを置いて祈りを捧げると、かつて勇者を手助けした不死鳥ラーミアが復活するんだそうだ」
「私には読めないですけど、そう書いてあるんですか?」
「ああ。古代文字で書かれているから、私もここにある文献を読み漁って、このページの3分の2
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