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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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自信持って!」

 そして、1本目はジャンプして思いっきり身体を反らして打ち込んだ。バウンドした後、大きくそれて行くように・・・衣笠響は追いきれなかったのだ。そして、次は[参の型]。浮いて返ってきたボールを璃々香先輩が叩きつけるようなボレーで。その後も、璃々香先輩は相手の前衛にボールを触らせるようなことはしなかった。そのまま私達の勢いは止まらなかったのだ。そして、マッチポイントを迎えて、中途半端なレシーブが返って来て「先輩 私」と、後ろから大きく飛び込んで、力の限り[滝壺]を女王の腰の辺りを目指して打ち込んでいった。衣笠響のレシーブのボールがネットの手前で落ちて力無く転がっていたのだ。

「やったー」と、私は璃々香先輩に飛びついていった。衣笠響のペァは呆然していた。そして、表彰式の後、衣笠響が私のもとに来て

「優勝おめでとうネ 完敗! あなたには、驚かされてばっかりだわ でも、次は頑張るからネ」と、立ち去ろうとしたけど、振り向いて

「聞かせてー どうして、個人戦のときは仕掛けてこなかったの?」

「・・・ウチ・・あの時、衣笠さんに圧倒されてしまって・・出来なかった。璃々香先輩と一緒でないと駄目なんです」

 その時、衣笠響は璃々香先輩のほうを向いて

「今度は手を抜かないでネ 最後のインターハイよ」と、個人戦の決勝でのことを言っているのだろう。

「手なんか抜いてないよ あなたは女王なんだから・・でも、シングルって孤独よね 喜びも・・」

 衣笠響はぷいっと振り返って立ち去って行ったのだ。そして、次の日、学校で恒例のように校長室の呼ばれて、体育館の壇上では労いの言葉を受けて居たのだ。
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