第二章
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「ネオニートって」
「不労所得で生きていくことが」
「今度マンション建てるから」
「そこに多くの人に住んでもらって」
「そしてね」
その収入でというのだ。
「さらによ」
「ネオニートの地盤を固められますか」
「そうするわ。夢があるでしょ」
机の上につっぷしたままの言葉だった。
「将来の夢がネオニートって」
「私はそうは思いません、人は動けるまで神々に与えられたお仕事をしていくべきです」
アログの言葉はエルミアのそれとは違い真面目なものだった。
「それによって生計を立てていくべきです」
「そう言うのね」
「私の夢は魔術師になることでしたし」
「その夢を適えられて」
「それで生計を立てられていますから」
だからだというのだ。
「まことに幸せとです」
「感じているのね」
「そうでなくても働いて」
魔術師になれなかったとしてもというのだ。
「生計を立てるべきとです」
「考えているのね」
「はい」
まさにという返事だった。
「私は」
「何があっても働きたいのね」
「勤労は美徳です」
エルミアの考えと正反対の言葉を出した。
「最高のそれの一つです」
「そんな考え持てるって凄いわね」
皮肉も悪意も敬意もなく言った。
「私には欠片もよ」
「お持ちでないですか」
「生まれてこのかたね」
「そうですか、ですが」
「お仕事入れたのね」
「そして講義もあります」
大学の学生相手のそれもというのだ。
「ですから」
「働かないと駄目ね」
「絶対に」
「嫌って言えば?」
「その時はです」
それならとだ、アログはここでだった。
一敗のコーヒーを淹れた、そのうえでそのコーヒーをエルミアの傍に差し出して言った。
「どうぞ」
「コーヒーね」
「お飲み下さい」
「ええ、飲む位はね」
コーヒーをというのだ。
「それ位はね」
「出来ますね」
「ええ、丁度喉も渇いていたし」
それでというのだ。
「飲ませてもらうわ」
「そうして下さい」
「それではね」
アログが言うままにだった。
エルミアはコーヒーを飲んだ、すると。
飲めば飲む程顔が変わった、それまでは今にも寝そうな顔であったがそれがどんどん覚めたものになり。
一派飲み終えるとだ、きりっとした顔になってアログに顔を向けて言った。
「お薬と論文だったわね」
「そして講義です」
「わかったわ、全部ね」
「行われますね」
「そうするわ、今日はね」
口調も変わっていた、真剣なものだった。
「その三つをね」
「為されますね」
「そして魔法の勉強もね」
独自のそれもというのだ。
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