やっぱり僕は歌が好き 第二十二楽章「悔し泣きは努力してる証」
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の方へと小走りで向かう。
気が利く女ね……もうほぼ社長の秘書じゃないの。
「あ、あの社長……」
「お邪魔しま〜す」
来客を確認しに行ったアイリが驚きながら戻ってきた……後ろにはビアンカ王妃陛下を引き連れて!?
「ここぉ〜、リュー君の新しい遊び部屋ってぇ?」
「また若い娘を連日連れ込んでるってウルフから聞いたぞ」
入って来たのは王妃陛下だけじゃない……魔技高校で冷気魔法を専門に教鞭を執ってるスノウ教授と、グランバニア陸軍幕僚長のピエール大将閣下のお二人もだ!
言うまでも無いがビアンカ王妃陛下はリュケイロム国王陛下のお妃様であり、スノウ教授とピエール大将閣下は陛下のお妾さんだ。
もしかして私やアイリの所為で陛下が在らぬ疑いを掛けられたのではないだろうか?
「人聞きの悪い表現だなぁ……ここは遊び部屋じゃぁなく真面目に音楽活動をする場所だし、連れ込んでるんじゃぁなくて自由意志で協力をお願いしてるんだよぉ。二人とも思考がウルフに感化されてきたんじゃないの?(笑)」
「そうね、誰かさんの所為で思考が感化されてるわね。でもウルフ君にじゃなくって、その師匠の方に感化されてるんですけどね、リュカ(笑)」
「なるほど違いないな。私もスノウも、アイツの師匠との方が付き合いが長いからな(笑)」
王妃陛下が笑いながら陛下に指摘すると、ピエール大将閣下が苦笑いしながら同意し、お三方と陛下に笑いが巻き起こる。
私もアイリも突然の大物ゲストに笑うどころでは無い。
「んで、ホントのところは何しに? 見た目以上に忙しいんだけど……」
「リューナから聞いたのよ。新しい楽器を弾くリュカが凄く格好良かったって!」
「そうよぉ〜。そんなの見に来るに決まってるじゃぁ〜ん?」
リューナちゃんは王妃陛下とも親交を持ってるのか、先週の事を伝えたらしい。
それをスノウ教授とピエール大将閣下にも伝え、今日は見学に来たらしい。
途轍もなく格好いいから気持ちは解るが、何とも言えない重圧がのし掛かる。
「まだまだ練習中なんだけど?」
「勿論完成した状態も観るけど、現状のリュカも観たいの!」
お孫さんも居る様な年齢なのにまだまだお美しい王妃陛下が、可愛らしく陛下に訴える。
女の私でもアノ“おねがい”をされたらイチコロなのだから、旦那様で在る社長には一際心に響くだろう。
「じゃぁ美女を待たせるわけにもいかないし、もう少し休憩したかったけど再開しようか?」
そう言って肩を竦めて私に視線を送ってくる。
「あ、はい! 私はもう大丈夫ですので、練習を再開致しましょう!」
断れるわけも無く、そして何時までもサボってるわけにもいかず……
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