やっぱり僕は歌が好き 第二十二楽章「悔し泣きは努力してる証」
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(グランバニア王国:城前地区・プービル)
ピエッサSIDE
新楽器披露の為、新曲を練習し始めて一週間が経過した。
私も興味があるのでMGとMBを弾かせてもらったが、指がつる!
二人はスムーズに演奏してるのに、私は指がつる!
本職のピアノだから一週間で大分マシになったとは思うけど、まだまだミスは多い。
二人は最早曲を憶える段階では無く、如何にスタイリッシュに演奏するかを競ってる状況だ。
寧ろ私が演奏をミスって二人の邪魔をしてるくらいだ。
社長は元々格好いいけど、MGを演奏してる姿は一層格好いい。
アイリも元々少しキツメの美人顔だったが、長い黒髪を振り乱して演奏する姿は美しく格好いい!
失敗し少しだけ休憩してる時に思わず「二人とも凄いなぁ」と漏らしてしまった。
自分の才能の無さが原因なのだが、二人が羨ましくって仕方ない。
でも社長が「一週間でここまで上達するのは凄いよ!」とフォローしてくれた。
しかしそれは社長のお膳立てがあってこそ……
このビルの鍵を貰ってたから一週間入り浸りだったし、新しい機材のMPで社長が録音した曲を繰り返し聴きながら練習した!
にもかかわらず私は未だにミスをするし、スタイリッシュさの欠片も無い。
だけど投げ出すわけにもいかないし、気を取り直してもう一度……
そう思い座り直してピアノの鍵盤に視線を落とす。
だが社長が「根を詰めるのも良くないし一旦休憩しようよ」と。
一向に上達しない焦りがあったが、社長に促されて一階へ降りる。
「疲れてる時は甘い飲み物がいいよね」
そう言って社長自らココアを淹れてくれた。
市販のココアみたいだが、社長がアレンジしてくれていてオレンジピールを摺りおろしたモノが少し入ってる。
ビックリするくらい美味しく身体に染み渡る。
ココアを飲んでいる間の話題は音楽からは掛け離れており、アイリが「一昨日デコに数字のタトゥーが入ってる男を見ました。何者なのか一目瞭然で良いですわね」と、私にはよく分からない事を言う。
「僕、男の顔を覚えるの苦手だからねぇ」
何故社長の記憶力が関係するのか分からないが、きっと何かトンデモナイ事なんだろう。
深く聞かない方が良いと思う。
私のカップのココアが無くなりかけてるのを見た社長が「おかわり淹れようか?」と優しく尋ねてくれた時……
このビルの玄関をノックする音が聞こえてきた。
「あ、私が出ますわ」
社長が立ち上がろうとした瞬間、アイリが慌てて立ち上がり玄関
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