第二章
[8]前話 [2]次話
「誰を好きになってもね」
「子供のことか」
「だから私達はね」
「親として見守るか」
「そうしましょう、むしろあの娘もね」
青空、自分達の娘がというのだ。
「誰かを好きになる位まで成長した」
「そのことをか」
「お祝いしてあげましょう」
「そうすることか」
「ええ、二人でね」
夫に笑顔で話した、そうしてだった。
二人で紅茶を飲んだ、その紅茶はミルクティーでそれぞれ砂糖も入れたのでかなり甘いものであった。
これまでは青空もそうした紅茶を飲んでいた、だが。
ある日だ、彼女は朝母にこんなことを言った。
「お母さん、ロイヤルミルクティーにして」
「えっ、ロイヤルって」
「ホットミルクを入れた」
紅茶にというのだ。
「それにして」
「いいけれどどうしたの?」
「いや、ミルクティーよりもね」
娘は母にこう答えた。
「恰好良いしそれにね」
「それに?」
「あっ、何でもないわ」
そこから先はだった。
青空は急に戸惑った感じになってだ、こう言った。
「気にしないで」
「そうなの」
「ええ、それでお砂糖は入れないで」
それでというのだ。
「それで飲むわ」
「そうするのね」
「ええ、これからね」
こう言ってだった。
青空はこの日から紅茶はロイヤルミルクティーそれも砂糖を入れないものを飲んでいった。そうしてだった。
ファッションにも気を使う様になった、服は子供用のファッション雑誌を参考にする様になってだった。
ツインテールを止めてロングヘアになった、そうして。
仕草もお洒落になった、修はそんな娘を見て言った。
「間違いないな」
「あなたもわかったわね」
「うん」
妻に確かな声で答えた。
「もうな」
「誰か好きな人がいるのよ」
「それでだな」
「もうね」
「その人の好みもか」
「知ってね」
それでというのだ。
「ああしてよ」
「お洒落もか」
「していってるのよ」
「何かな」
夫は妻の話をここまで聞いてだった。
考える顔になって腕を組みこう言った。
「完全に恋する乙女だな」
「そうよ、まさにね」
妻はその通りだと答えた。
「今のあの娘はな」
「相手の好みを知ってか」
「それに合わせてね」
「お洒落をしてか」
「それで背伸びもしてよ」
このこともあってというのだ。
「変わっていってるのよ」
「そうなんだな」
「まだ子供って思ってるでしょ」
くすりと笑ってだ、妻は夫に問うた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ