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雨が降ってた・・・・・・
第二章

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「天気予報通りね」
「そうだね、帰る時の雨ってね」
「嫌よね」
「まして入る時に晴れていたら」
「尚更よね」
「全くだよ、けれど大丈夫だよ」
 彼は隣にいる私に微笑んで話してくれた。
「僕傘持ってるから」
「持ってるの」
「折り畳み式だけれどね」
 言いながら自分の鞄からその折り畳み式傘を出してきた。
「これがあるから」
「その中に入って」
「帰ろう、ただ小さいからね」
 傘の面積はというのだ。
「寄り添ってね」
「帰るのね」
「そうしようか」
「そうね、ホテルから出た後だし」
 楽しかった余韻が残っている、このことは事実だしだ。
「それじゃあ」
「身体寄せ合ってね」
「傘の中に入って」
「帰ろう」
「ええ、そうしましょう」 
 彼の言葉に笑顔で頷いた、そうしてだった。
 彼が傘を開くと私はその中に入った、そして二人で話した通りにホテルの部屋の中でそうだった様に身体を寄せ合ってだった。
 そのうえでホテルを出た、そのうえで駅まで一緒に帰ってそこからはお別れの言葉を言ってそれぞれの家に向かう電車に乗った。
 家の最寄りの駅に着いた時にはもう雨は止んでいた、通り雨だったらしい。私は雨が止んでいるその中を歩きながら彼に感謝した、雨が降っていても傘を持っていてその中に入れていれた彼に。雨が降ったことは嫌だったけれどこのことは嬉しかった。


雨が降ってた・・・・・・   完


                  2022・12・28
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