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犬と配達員
第一章

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                犬と配達員
 ミシガン州で銀行員の夫を持ち自身は在宅ワークを行っているメーガン=グルシンスキー白い長い髪の毛に青い目と彫のある細面にすらりとした長身の彼女は愛犬のムースについて夫のダンリー黒髪で黒い目を持ち背が高く中肉の彼に家で言った。
「最近この娘がおかしいの」
「どうしたんだい?」
 夫は夕食の場で家の愛犬のムース雌のゴールデンレッドリバーの彼女を見つつ妻の言葉に対して応えた。
「おかしいって」
「郵便配達の人が来たらね」
 そうしたらとだ、妻は夫に答えた。
「玄関から駆け寄ってじゃれるのよ」
「郵便配達って」
 その仕事の人と聞いてだ、夫は妻に言った。
「僕達どちらも」
「友達いないわね」
「家に招いたこともないよ」
 こう言うのだった。
「全くね」
「それでもなのよ」
「ムースはその人に駆け寄るんだ」
「来たらね」
 その配達員がというのだ。
「そうするのよ」
「それはまたね」
「不思議でしょ」
「一度配達員の人に聞いたらどうかな」
 夫は妻に考える顔になって言った。
「本人さんに」
「そうね」
 妻もそうしてみようと頷いた、そしてだった。
 その時が来るのを待った、そして配達員が家に来るとだった。
「ワンワン!」
「来たわね」
 ムースが家を出て玄関に駆けていったのを見て自分も家を出た、そして自分に駆け寄って来た彼女を抱き締めて笑顔で遊ぶ初老の髪の毛が薄くなっているグレーの目の男性の配達員に対して尋ねたのだった。
「あの、うちの犬と何かあったんですか?」
「実はこの前、丁度うちの犬が天寿を全うして」
 配達員はメーガンにムースの頭を撫でつつ話した。
「落ち込んでいた時にです」
「この娘がですか」
「この家に郵便の手紙を入れた時に」
 仕事でそうした時にというのだ。
「駆け寄ってくれてそれからです」
「お友達になったんですか」
「はい」
 そうだというのだ。
「それからです」
「そうだったんですね」
「多分私が落ち込んでいることに気付いて」
 そうしてというのだ。
「慰める為にです」
「来てくれたんですね」
「それからです」
「この娘とお友達になったんですか」
「はい」
 そうだというのだ。
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