天馬の漢気
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クトさんも抜けだね」
「本当はシルフェさんも抜けてくれれば競技が終わらせられるんですけど・・・」
二人の戦いの間に何食わぬ顔でソフィアが一位抜け、続いてローグさんとバッカスさんも戦いに入るタイミングを見ながらも割って入れず時間が来て抜けている。ここでタクトさんが抜けても4位なためポイント的にはあれだけど、彼の活躍は多くの人の網膜に焼き付いたはず。
「やっぱりタクトくんは脅威ですね」
「一夜さんがいないのが救いですね」
一夜さんが次の世代へのためにとこの大魔闘演武に出ていないのがありがたい。タクトさんと一夜さんが揃っていると、それだけで青い天馬は厄介な存在になる。
『青い天馬のタクト選手!!狩猟豹の頭のシルフェ選手へと迫る!!』
もう目と鼻の先へと迫っていたタクトさん。誰もが彼の勝利を確信していたその時、俺はシルフェの表情の変化に気づいた。
「なんで笑って・・・」
追い詰められた絶対絶命の状況。それなのにシルフェは敗戦を覚悟したものではなく、まだ何か秘策があるかのような表情を見せている。
「魔風壁」
タクトさんの攻撃が届く直前、シルフェは何かを呟いた。その瞬間、二人の間に巨大な風の壁が出来上がったかと思うと・・・
「うわあああああああ!!」
それは長身の青年を巻き込み、彼は地面へと叩き付けられてしまう。
「これで・・・」
タクトさんが倒れたのを見ていたシルフェは立ち上がると何をするでもなくその場に立ち尽くす。そして自身のタイマーが0になると同時に、その場に倒れ込んだ。
「俺の役目は終了だ」
倒れている彼は意識を失っているにも関わらず、その表情は緩んでいる。あまりにも壮絶な戦いを終えた闘技場はざわついていた。
『ただいまタイマーを消化した狩猟豹の頭のシルフェ選手は4位、続いてフェアリーガールズのミラ選手が5位、少し遅れ蛇姫の鱗のトビー選手が抜けて6位までが確定しました!!あとはタクト選手とナツ選手ですが・・・』
倒れた二人は意識を取り戻すことができずただ競技時間だけが過ぎている状態。それも、まだ10分以上も競技の時間が残っているため俺たちも運営も何も手の施しようがないのだ。
「これ・・・どうなるんですか?」
「わからない・・・この場合のルールは説明がなかったし・・・」
ウェンディとルーシィさんはこの状況にそんなことを話しているが、恐らくこれは運営も想定していなかったのか、裏の方が騒がしい。恐らくここからどうするのかを話し合っている状態なのだろう。
「棄権してもらうしか・・・」
「でも、それを決めるのは私たちじゃない」
ナツさんは同じ
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