黒い技術
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。
「カルラーーー! おお、そこにいたかぁ!」
「父さん……」
そう言ってこちらに歩いてくる巨漢の男性は何を隠そう私の父、ゼヴィア・カスト。
「はにゃああ……すいません織斑先生……止められませんでした〜」
山田先生が父さんの腰にしがみついたまま織斑先生に謝りました。いえ、山田先生のせいではないと……
「申し訳ありませんがお引取り願えませんか」
織斑先生が私を守るように父さんとの間に入りました。
「む、そういう貴方はどちら様かな?」
「織斑千冬と申します。若輩ながら娘さんの担任を勤めさせていただいております」
「おお! 貴方が件のブリュンヒルデですか! これはこれは、娘がお世話になって!」
そう言って父さんが織斑先生の右手を取って固く握手しました。
「挨拶は結構です。IS学園に関する国際規約はご存知ですね? 学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されていません」
「うむ! 重々承知している!」
承知してるんですか! そこは嘘でも知らないって通すべきじゃないんですか!?
「だが大切な娘が倒れたと聞いてじっとしてられる親がいますかな?」
「そこに関しては否定はしませんが条約上親御さんも例外ではありません。ご息女の無事も確認できたのならお引取り願います」
「しかしですなぁ……」
「父さん」
「む……」
父さんは親バカという言葉がぴったりの性格です。私が言わない限り引いてくれないでしょう。
「私は大丈夫。父さんの気持ちは凄く嬉しいけどこれ以上私のことで国の人や父さんに迷惑をかけたくないから……ね?」
「ぐ……むう……まあカルラがそう言うのだったら大丈夫か。いやお二人ともご迷惑をおかけしましたな。娘も無事のようですし私はこれで退散しましょう」
「で、出口まで送ります〜……」
山田先生、まだ目を回していたんですね。そのままフラフラと廊下へと出て行きます。
それを危なっかしく思ったのか織斑先生がその後に続きました。
「申し訳ありませんが学園出口までは監視として私も付きます。よろしいですね?」
「ああ、お願いする。カルラ、体に気をつけろよ。たまには連絡寄越すようにな」
「う、うん。あ! 母さんにも私は大丈夫だって言っておいてね」
「おう! ではまたな!」
そう言うと父さんは山田先生の後に続いて織斑先生と共に保健室から出て行きます。
久しぶりに会ったけど父さん変わらず元気そうだったな。あの調子なら母さんも元気だと思います。
「そうだ。カスト」
「は、ひゃい!」
いきなり織斑先生が戻ってきました! 一体な
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