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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
黒い技術
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斑先生」

 聞き覚えのある声に振り向くと予想通り、そこには出席簿を持った織斑先生が立っていました。

「す、すいません。ご迷惑を……」

「その言葉は篠ノ之に言ってやれ。客席で倒れたお前を運んだのはあいつだ」

「そうですか……」

 後でお礼言わないといけませんね。

「あ、先生。試合……いえ、ボーデヴィッヒさんは!」

「その様子だと『VTシステム』の詳細については知っているようだな」

「あ……はい」

「それが機密レベルSSと知っていてか?」

「あう……」

 機密レベルSS。それはつまり最重要機密事項を意味します。国家代表者ならともかく代表候補生レベルではまだ見ることの出来ない内容。それを知っていると答えてしまいました。

 織斑先生がやれやれ、と首を振ってベッドの空いている部分に腰掛けました。話してくれるみたいです。

「今回の件は全て機密事項だ。が、まあクラスメイトの安否ぐらいはよかろう。ボーデヴィッヒは全身に筋肉疲労と打撲があるが命に別状は無い。しばらくは動けんだろうがすぐによくなる」

「そうですか……良かった」

「お前はよく分からんな。この間まであいつとは険悪な仲だと思っていたが?」

「そうかもしれませんけど……でも同じクラスの人を心配するのは普通じゃありませんか?」

「普通か……そうかもしれんな」

 そう言うと織斑先生は立ち上がって……

『ぬがああああああああ!』

『だ、だから待ってくださいってば〜!』

 な、なんですか!? 急に廊下から大声が!

『うおおおおおおお! カルラーーーーーー! 離せ! 離さんかあ!』

『いくら親御さんでもIS学園にいる内は会わせるわけにはいきません〜!』

 この声ってもしかして……っていうかもしかしなくても……

 織斑先生がヤレヤレと言いながら右手を頭に置きました。

「忘れていたな。お前の父親と名乗るものが面会を求めている」

 やっぱりこの声は父さんですか……もう……
 来てたんですね。恐らく今回のトーナメントを見に来ていたのでしょう。

「だが知っての通りIS学園は国際規約で学園外の者は学園の関係者に対して一切の干渉が許されていない。残念だが……」

『きゃーーーーーーーー!』

『カルラーーーーーーー!』


 ドーーーン!


 またドアが吹き飛ばされましたよ……しかもここ保健室ですよね。こんな短期間に二回も吹き飛ばされるなんて……

 姿を現したのは2m近い身長の巨漢と、目を回しながらもその巨漢の腰にしがみついて止めようとしている山田先生。
 巨漢の方は鮮やかな赤い短髪に無精髭。筋骨隆々という言葉がピッタシの体にスーツという格好です
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