第一章
[2]次話
犬と脱脂粉乳
ケージの中にふわりのご飯をミルクを入れてからだ、彼女の飼い主である国崎家の息子洋介は食べはじめたふわりに尋ねた。
「ふわり美味か?」
「ワン」
食べながら尻尾を振って返事の様に鳴いてきた。
そんな彼女を見てだ、洋介は笑顔になったが。
後でだ、母の百合子に尋ねた。
「ちょっといいか?」
「どうしたの?」
「さっきふわりにご飯とミルクあげたけどな」
それでもというのだ。
「ミルク犬用にしたからな」
「ちゃんとよね」
「ああ、人間のはやらなかったよ」
「そこは注意してね」
しっかりと、とだ。母は息子に言った。
「何といってもね」
「ああ、ただな」
洋介は首を傾げつつ言った。
「猫用のミルクもあるよな」
「あるわよ」
母は即座に答えた。
「そちらもね」
「別に人間のも飲めるだろ」
母に首を傾げさせたまま言った。
「犬も猫も」
「一応ね。昔はね」
「普通に飲ませてたよな」
「人間が飲むミルクをね」
「そうだよな」
「けれど昔は昔よ」
「今は違うか」
「それでね」
さらに言うのだった。
「もっと言えば昔のそれはね」
「よくなかったんだな」
「そうよ、人間の身体とワンちゃんの身体は違うのよ」
「猫もだよな」
「それはわかるでしょ」
「俺もな」
洋介もそれはと答えた。
「わかるよ」
「だからよ」
「はっきり分けた方がいいんだな」
「私達とワンちゃん達の食べものはね」
「そして飲みものもな」
「お水がいいけれど」
これはというのだ。
「ミルクはね」
「駄目か」
「そうよ」
絶対にというのだ。
「だからね」
「それでか」
「買って」
犬用のミルクをというのだ。
「そうしてよ」
「飲ませてるんだな」
「うちもね」
「そうなんだな」
「ワンちゃんの身体に一番いいミルクはね」
「犬用のミルクか」
「何といってもね」
まさにという口調での言葉だった。
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