暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第94話:レジアス・ゲイズ
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の正義感や義務感を読み誤った。
 あいつは私が考えているよりもはるかにスカリエッティを脅威と感じていた。
 だからこそ、部下の命を危険にさらすと判っていながら作戦を
 強行したのだろう」

「そしてあなたはどうしたのです?何もしない訳にはいかないでしょう」

俺の言葉にゲイズさんは苦々しげな表情で俺を見据える。

「君は何を聞きたいのかね?」

「事実です」

俺が短くそう答えると、ゲイズさんは目を閉じて小さくため息をつくと、
再び目を開いて俺の顔を見つめる。

「私はスカリエッティにアジトへの突入作戦が行われることを教えた。
 突入部隊の構成や作戦の実行時期もな」

「それは、スカリエッティに迎撃の準備をさせるためですか?」

俺がそう言うとゲイズさんはカッと目を見開いて俺の睨みつける。

「違う!」

短く言ったゲイズさんの声に怒りを感じた。
俺はそれにあてられそうになりながらも、努めて冷静さを保つようにする。

「ではなんのために?」

「突入作戦が実行される前にアジトの移動をさせるためだ。
 俺はスカリエッティに言ったのだ。”襲撃が行われる前に退避しろ”とな」

ゲイズさんの言葉にはそれまでと異なり感情が込められていた。
一人称が”私”から”俺”に変わったことからもそれを感じられる。

「それは本当ですか?」

「本当だ。今更ウソをついても何ら得はないからな」

「ですが、実際にはスカリエッティは戦闘機人で迎撃しました。
 何があったんです?」

「俺は知らん。スカリエッティが勝手にやったことだ」

「そうでしょうか?スカリエッティの人となりを考えれば、
 そのような行動に出るのは簡単に予測できそうなものですが・・・」

「かもしれん。だが俺はできるだけのことはしたつもりだ」

「私はそれには賛同できかねますね」

「というと?」

そう言ってゲイズさんは試すような目で俺を見る。

「私があなたの立場であれば、スカリエッティには実際よりもはるかに
 大きな襲撃があるように情報を流します。
 そうすれば手持ちの戦力では太刀打ちできないと考え、
 アジトを移動するという方に思考を傾けさせることができると思いますが」

「だが、奴にも独自の情報網はある。偽情報と判ればどのような行動に
 出るかは予想できなくなる。その方がより危険ではないかね?」

「確かに・・・」

俺は様々なパターンを考えたが、ゲイズさんの説を論破できるだけの
説得力ある案を考え出すことができなかった。

「この件についてはもうやめにしましょう。建設的ではありませんし、
 究極的には結論が出ている話ですから」

「どういう意味かね?」

「あ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ