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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
クリスマスイブイブストーリーB
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理由が強さを左右することもある。あなたのその理由、私は素晴らしいと思います」

「……」

「さて、これで最後です。最後に二つ質問させてください」

 

 男は最初のような笑顔を浮かべながら、最後の質問を投げかけてきた。

 

「大切な人と敵対する存在とが争いになった際、あなたが取る行動は?」

「……」

「また、あなたが大切に思う人が危機に瀕した時にあなたが取る行動は?」

(……なんだ、そんな質問か)

 

 さっきの自然と出て来た言葉が私の本心ならば。そんな状況になった時に私が取る行動は一つしかない。

 

「一つ目に対する答えは、先陣を切って争いに出向く≠ナす。二つ目の答えは、身一つで助けに向かい、たとえ自分の犠牲にしてでも、大切な人を守り抜く≠ナす」

「……完璧な答えです」

 

 私の答えを聞いた男は、満足そうに頷いた。

 

「あなたを気に入りましたよ。……よし、私があなたを育てましょう」

「え?」

「冬休みの間、私があなた鍛錬に付き合います。そして武術指導もします」

「いや、あの……急になんですか?」

 

 いきなり育てるだの指導するだの。この人は一体なんなんだろう。

 

「私の指導について来れれば、あなたは今より数倍強い武闘家になれます。大切な人の力になる術も身につくでしょう」

「!」

 

 そう言えば……この人に揶揄われた時、全く姿を捉える事が出来なかった。

 

 もしかしたら、この人は凄腕の武闘家なのだろうか?

 

 心の内を正直に表現するなら……怪しさ半分、教わりたい気持ち半分という感じだ。

 

 しかし、男は私の反応を待たずにどんどんと話を進めてしまう。

 

「あ、先に言っておきますが、私が1日に指導できるのは10分間だけです」

「は!? 10分!?」

 

 怪しさが勝ちそうだ。10分だけとかありえないでしょう。

 

「安心しなさい。それだけでもあなたが私の指導通りに鍛錬すればちゃんと成長できますから」

「……」

 

 ……全ては私次第と言うことね。

 

 何も返事してないのに、すでに私が指導を受ける事になっているのは気になるけれど。

 

「私は基本この公園付近にいます。毎日、都合の良い時間に訪ねて来なさい」

「……はい」

 

 たんたんと進める男に流されたのか、はたまたこの男に指導して欲しくなったのか分からないけど、私の口からは肯定の言葉が出ていた。

 

(……でも、これで探していた正しい努力の道筋が見えるかもしれない)

 

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