2学期の終焉
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だから龍園は2年に上がるまでは好き勝手にするつもりなのだろう。
「……それでいいの?」
「あ?」
「Cクラスをどうにかしようとは思わないの?」
「はっ、自分以外の事なんてどうでもいいんだよ。それに、今回の失態で俺はもうクラスのリーダーからは降板だ」
今回の失態の責任を取って、もう暴君はやめると言う事か。まぁ確かに、暴君が認められるのはその恩恵をクラスメイトに与えられている間だけか。
「そっか。……はぁ、がっかりだなぁ」
「……あ?」
綱吉がため息を吐いてそう言うと、龍園はギロリと睨みつけた。
「せっかく君の事を少しは見直したところだったんだけど、そんな事言うなら俺の見込み違いかな」
「……何が言いてぇんだ」
「……これさ」
「!」
綱吉はブレザーの内ポケットから学生証端末を取り出した。
(あれは……龍園のものか?)
「それは俺のか?」
「そう、少しの間借りたんだ」
「……さっさと返せ」
「もちろん。でもその前に……」
「! おい、何触ってやがる」
綱吉は龍園の学生証端末を操作し始めた。そして、とある画面を龍園に向けて見せつけた。
(……あれは、メモアプリか?)
液晶に映し出されているのは、学生証端末にインストールされているメモアプリだった。
綱吉はその画面を龍園に見せつけながら話を続けた。
「8億ポイント」
「! ……」
メモ帳には『8億ポイントを貯める』と書かれたタイトルと、文字が小さすぎて読めないが細かい作戦なんかが記載されているようだ。
「8億ポイント、こんな大量のポイントを貯めようとするの理由はただ1つ。クラス全員でAクラスに上がる為、そうだろ?」
「……それはただのお遊びで書いただけだ」
「……そっか。それは残念だ。これが事実なら俺達は協力し合えると思ったのにな」
「ふざけんな。てめぇと協力なんかできっかよ。それにてめぇだって本当に協力し合えるなんて思ってねぇだろうが」
「……まぁ、すんなり協力してもらえるとは思ってないけどさ」
弱気な発言をした綱吉に、龍園は鼻で笑った。
「はっ! それみろ。どうせ俺の考えを馬鹿の戯言だと笑い者ににしたかったなんだろ?」
「……はぁ。馬鹿にはしてないよ。馬鹿にはね?」
「あ? なんだその含みのある言い方は」
「……馬鹿にはしてないけど、意外と欲がないんだな……とは思った」
「……あ?」
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