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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
9名の救出劇B
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思っていると、ツナ君はもう一度小さく頷くと私の目をしっかりと見つめ返してきた。

 

「麻耶」

「う、うん?」

「今から君を病院に連れていく。だけど俺は他にも人質にされてる子達を助けに行かないといけないんだ」

「うん……」

「だから君を病院まで連れていく時間がない。その為に平田にここに向かうように言ってあるんだが、平田は今別の人質にされた子を病院に連れて行っているからいつここに来るか分からない」

「そ、そっか」

 

 平田君を呼んであるのか、本当はツナ君に付き添って欲しいけどわがままは言えないよね。

 

 とりあえずツナ君に私の心の強さは見せられたからそれで良しとしよう。

 

 ……ツナ君はさらに言葉を続ける。

 

「だがここで待っているのは時間が勿体ない。だから病院に向かって君を抱えて進むぞ。途中で平田と合流できるだろうから、そしたら君の事は平田に任せる」

「……うん。わかった」

 

 もう少しツナ君といれるという喜びと、このままツナ君といると安心して抑えていた恐怖が溢れ出してしまうんじゃないかという不安に駆られる私。

 

 ??ポンっ。

「!」

 

 そんな感情に揺れる私の肩に、ツナ君は優しく手を置いた。そして少し悲しそうに小さく呟いた。

 

「……平田に合流するまで、俺は君の顔は見ないから」

「……え?」

 

 ツナ君の言った言葉の意味を考えていると、ツナ君はいきなり立ち上がり、その勢いのまま私を抱え上げた。

 

「よっと」

「え!? わあぁぁ////」

 

(こ、これはお姫様抱っこ!?)

 

 ちょっ!? これは恥ずかしすぎる! 嬉しいけど!

 

「っ〜//////」

「……」

「///……?」

 

 顔を赤くしながらツナ君の顔を見上げるも、ツナ君は私の顔を見ようともしない。そして、そのまま倉庫の外へと歩き出した。

 

「……」

「……」

 

 歩きながらも、ツナ君は私の顔を見ようとはしない。

 

(……なんでこっちを見ないの? ……あ)

 

 その時、私はお姫様抱っこされる前にツナ君に言われた言葉を思い出した。

 

 そういえば、平田君と合流するまで私の顔は見ないって……。

 

 でもどうしてそんな事をするんだろう。聞いたら教えてくれるかな。

 

 気になってしまった私は、思い切って理由を聞いてみることにした。

 

「……ツ、ツナ君?」

「……なんだ?」

(よかった。話はしてくれるようだ)


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