9名の救出劇B
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、助けに来てくれるツナ君に心配をかけてしまう。それだけは避けなきゃ。
誘拐される直前に、学生証端末でツナ君に緊急連絡を送った。だからツナ君が助けてにきてくれるのは間違いない。
その事が、その事実が、私に勇気をくれる気がする。
私は怖がってなんかない。むしろこの事件を利用して一歩前に進んでやるんだ!
これは佐藤麻耶という1人の女の、ツナ君の彼女争いへの参戦表明だ!
私は……ツナ君が助けに来てくれるまで、Cクラスの男子達を睨むのは止めない!
私は……こんな奴らに負けたりしない!
ツナ君に、私は心の強い女の子なんだよってことを知ってもらうんだ!
「くくく……おい佐藤。もしも今謝って命乞いをするのなら、許してやれるかもしれないぞ?」
「そうだな。おい、謝っとけよ。睨んですいませんでしたって。じゃないと痛い目にあうぜ?」
「……嫌よ」
「あ? 嫌っつったのか?」
「そ、そうだけど? それが何よ!」
「お前、この状況で助かるとか思ってる?」
「無理だぜ。男2人に女1人に勝てるわけがねぇ」
……勝てるわけがない?
あ〜、この2人は何にも分かってないわね。
「……か、勝てるわよ?」
「は? 何言ってんのw」
「勝てるわけねぇじゃんw」
私の言葉を嘲笑う男子達。でも私はさらに言葉を続ける。
「……お、女の子はね。本当は強いんだから。と、とってもとっても強いんだから!」
「クククw へぇ〜w」
「おい、こいつオモシレーなぁw」
笑いたいなら笑えばいい。この言葉は私の覚悟の表れだから。
「お、女の子は強いんだから。……そ、それに、その中でも私は特に強いんだから!」
「うんうん、そうかそうかw」
「強がりがもうよしな? そろそろ潰したいんだよねw」
`嘲笑いを続ける男子達に、私は精一杯の大声で宣言をする。
「こ、恋する乙女は強いんだから!」
「ぶっw あははははっw」
「こ、恋する乙女ってw こいつ何言ってんのw」
??ガシャ……。
堪えきれなかったのだろう、ついに大声で笑う男子達。
私がそんな彼らのことを見ていると、閉められたシャッターが微かに揺れる音がした。
男子達は自分の笑い声で気づいていないようだが、その音はだんだんと大きくなっていく。
??ガシャ。
??ガシャガシャ。
??ガシャガシ
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