9名の救出劇B
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よなぁ」
……あれ、私が無言で睨み付けていたからか、Cクラスの男子達が私の事を見ながら困った顔をしている。
「こいつ全然怖がらねぇな」
「だなぁ、つまんねぇよ」
「……」
別に怖がっていないわけじゃない。ただ負けたく無いから睨んでいるだけだ。
私はなぜ負けたく無いのか。それはツナ君の恋人になるなら、心が強い女じゃないといけないと思うからだ。
これからもツナ君はAクラスに上がれる様に奮闘するだろう。その背中についていく為にも心が強い方がいいはずだ。
実際今回の事件もツナ君を潰す為の他クラスの策略だ。今回の様な事が二度と無いとは言い切れないはずだし、そうなった時にツナ君に心配をかけない人でありたい。
そんな決意を胸に、恐怖心を必死で打ち消してCクラスの男子達を睨みつけているんだ。
(怖いけど、ツナ君の彼女になるなら、これくらい耐えられないと話にならない!)
「……」
「おい、いつまで睨みつけてんだよ」
「あ〜、ムカつくなぁ……」
私の態度が気に入らないのだろう。Cクラスの男子達は確実にイライラしている。
「……おい」
「ああ……ふんっ!」
「きゃっ!」
イライラがピークに達したのか、いきなり男子の1人が床に転がる私の顔すれすれを足で踏み抜いた!
思わず小さい悲鳴が漏れ、その声を聞いた男子達は嬉しそうに笑った。
「なんだよ、やっぱり怖いんじゃねぇかよ」
「単なる強がりかぁ。それならもっと怖がらせてやればいいな」
「……」
「……おい、もうやっちまおうぜ」
「え?」
私は小さい悲鳴を上げてもなお、Cクラスの男子達をキッと睨み続けていた。
それが癪に障ったのか、さっき顔の近くを踏み抜いた男子にもう1人が何かを命令する。
「だけど、潰すのは龍園さんから連絡が来てからだろ?」
「どうせ潰すんだ、いつ潰したって同じだよ。それにこいつのこの態度が気にいらねぇんだ」
「……ん〜、まぁいいか」
この誘拐がどんな作戦で行われているのかは分からない。だけど、この2人は元々の作戦を無視するようだ。
私に対して怒りが溜まっていたのだろう。
指の骨を鳴らしながら、男子達はゆっくりと私に近づいてくる。
??怖いよ。
……でも、睨むのを止めてはいけない。
止めてしまえば、押さえていた恐怖心が溢れ出してもう止められない。
そうなると
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