9名の救出劇A
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あのグループは居心地がとてもいい。
ほとんどのメンバーが1人行動が多い奴だから、お互いに干渉しすぎず離れすぎず。
全員の予定が合う時だけ集まる。そんな関係が居心地の良さを感じさせてくれるんだ。
それにグループの男子達も胸に目が行くことはあるけど、下心を安易に見せたりはしない。
みやっち・ゆきむー・きよぽんは何とも思ってないように見えるって言えばいいかな。
……ツナぴょんは3人と全く反応が違う。目が行くと必ず顔を真っ赤にしてすぐに目線を逸らすし、急に話題を転換しようとするんだ。
……その姿が何か可愛くて、わざとツナぴょんの前で胸を強調したりすることもあったりする。
まぁとにかくグループの男子達は胸に目が行くことはあっても、そこに下心は感じれないから嫌な思いはしないのだ。
だけど、今向けられている視線は100%下心しかない下品な視線だ。
「あ〜やべぇ。なぁなぁ、少しくらい手を出してもよくね?」
「ん〜、まぁ大丈夫か?」
(……愛里、大丈夫かな)
下品な視線を受けながらも、私の頭の中には愛里の事が浮かんで消えない。
あの子も私と同じような悩みを持ってるし、愛里もこんな視線を向けられているかもしれない。いや、手だって出されていてもおかしくない。
でも愛里は気が弱いから「やめてよ」と言うこともできないだろう。
……ごめんね愛里。私のせいだね。
私がツナぴょんの審議の傍聴に誘わなければ、愛里が誘拐されることはなかったのに。
今回の体験はきっと、愛里の心に傷として深く残ってしまうだろう。
たとえツナぴょんが助け出してくれたとしても。
??そう思った時、私の脳裏に中学時代の親友の顔が思い浮かんだ。
(……ああ、二度とあんな経験をしなくて済むように1人で過ごしてきたんだけどなぁ。結局友達を作って、グループを作って、その内の1人が親友になって。……で、その親友を酷い目に合わせて)
……中学の時の二の舞じゃん。
今度こそは、そう思っていたのに。結果は同じだった。
……やっぱり、私は友達を作らない方がいい女なのかな。
……いや、友達だけじゃないね、家族もそうかもしれない。
……青春を取り戻せるかも、なんて思ってた自分が憎いよ。
愛里の置かれた状況を想像しながら、私の目尻には涙が溜まっていく。
「おい、こいつ急に泣き出した
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