9名の救出劇@
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気がついていないようだ。
「……死ぬ気の零地点突破、改」
ツナ君は右手の平と左手の甲を小狼に向けるように組み合わせた。
そして、ついに小狼の右腕から炎が放たれる。
??ボオオオっ!
私の前に立つツナ君に向かって炎が迫ってくる。
それでもツナ君は避けようともせず両手を構えたままだ。
「ツナ君! 避けて!」
「! 何だと!」
私が大声でツナ君に避けるように言ったものだから、小狼もツナ君の事に気がついたようだ。
「……心配ない」
「で、でも」
??バーン!
結局、小狼の放った死ぬ気の炎はツナ君へと直撃する。
「つ、ツナ君っ!」
炎が直撃したことで、辺りは土煙が舞っている。
そのせいでツナ君が見えないが、小狼は勝ったとでも言いたげに笑った。
「ハハハ! こいつはラッキーだ! 沢田を消す事に成功したんだ!」
「……ツナ君」
しばらく小狼の笑い声が響き渡る。
本当にツナ君がやられてしまったのかと私が固まっていると、土煙の中から声が聞こえてきた。
「……これ、本当に死ぬ気の炎か?」
「!」
ツナ君の声だ!
「ハハハハっ! ……は?」
聞こえるはずのない声が聞こえた事で、笑い続けていた小狼も正気に戻る。
だんだんと土煙が晴れていき、私の目の前も視界が開けていく。
そして完全に視界が晴れると、目の前には無傷のツナ君が立っていたんだ!
「なっ!? 直撃したはずだ! なんで無傷なんだよ!」
「残念だな。俺に炎での直接攻撃は通じないぞ」
「はぁ!?」
ツナ君が無傷である事に動揺したのか、小狼は目を見開いて驚愕している。
??ざっ。
そんな小狼を煽るように、ツナ君は一歩前に出る。
「っ!」
??ざざっ。
それに呼応するように、小狼は二歩後ずさった。
明らかに弱気になっている小狼に、ツナ君は質問を投げかける。
「小狼。お前の右腕についているその機械、バカンス中に襲撃してきたジョーコのナイトも腕に付けていたぞ。……それはなんだ?」
「……へ、へへっ! 教えるわけないだろ?」
自分の攻撃が全く通じていなかったのに、小狼は今だにツナ君に対して強がっている。
……その
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