9名の救出劇@
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て装置をつけている右腕を構えた。
??キュイイーン。
バイオエネルギー燈炎機に小狼の生体エネルギーが吸い込まれていく音がする。
小狼は今まで殺しなんてしなかったはずなのに、ついに自分の手を汚すことに躊躇わなくなったのかな。
(……ああ、これで私は死ぬのか)
「……じゃあな、美雨」
……久しぶりに私を名前で呼んだ気がする。
最後まで奴隷で通せばいいのに……。
「……」
「……」
……私は目を閉じた。
せめて。せめて死ぬ前に楽しかった思い出を思い出しながら死にたくて。
走馬灯っていうのかな。色んな思い出が脳裏を過ぎっていく。
その中で、干支試験後にアルロちゃんのおかげで両親と話をできた時の事を思いだした。
(お父さん……お母さん)
高校卒業したら会える予定だったのになぁ。
ごめんね、お父さん、お母さん。
私、この高校を卒業できないし、ここで終わりみたい。
??ポロ……ポロ。
「……うぅ」
気がついたら私の目からは涙が流れてきていた。
そして、目を閉じたまま本音がポロリと零れる。
「……ぐすっ。し、死ぬ前に、お父さんとお母さんに……会いたかったなぁ」
そして……そろそろ小狼が炎を放とうという時。私のすぐ近くから声が聞こえてきた。
「……死なせない」
「……え?」
聞こえてきた声には聞き覚えがある。どこか優しげで、どこか力強くて。
心の奥底に染み込んでくるような、そんな声。
(この声は……)
??パチ……
その声の主に思い当たり、ゆっくりと目を開いていく。
すると、そこにはやはり予想通りの背中があった。
「……あ」
干支試験の時、小狼に襲われそうになっていた私を守ってくれた……あの背中だ。
「……つ、ツナ君」
そう。ツナ君だ。
ツナ君は少しだけこっちに顔を向けると、一言だけ呟いた。
「……君の事は、俺が命をかけて守るから」
「……うん」
まだ助かったわけじゃないのに、ツナ君のその言葉はすんなりと私の中に入り込んできた。
ツナ君は再び小狼に目を向ける。
小狼はバイオエネルギー燈炎機から溢れ出る炎でツナ君の事に
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