龍園VSツナA
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の肩に手を置いて飛び上がり、そのまま背中側に回り込む。
そして、首の後ろ側に素早く手刀を叩き込んだ。
??シュタッ!
「Ugh!」
「……大人しく眠ってろ」
手刀を受けたアルベルトは、短いうめき声を上げて地面に倒れ伏した。
そして、ツっ君は倒れたアルベルトから伊吹へと視線を移す。
「……次はお前か? 伊吹」
「……」
ツっ君に見据えられて、苦悶の表情で固まっている伊吹。
そんな伊吹に、ツっ君は救いの糸を垂らそうとする。
「無理して戦うことはない。大人しくしてくれれば……」
「おい伊吹」
『!』
……だけど、ツっ君が言葉を言い切る前に龍園が大声で伊吹の事を呼んで遮ってしまった。
「もうお前だけになったなぁ? ……それで? どうする?」
「……」
石崎の時同様に、龍園は伊吹の事を冷たい目で睨みつける。
石崎は恐怖で逆らえなくなっていたが、伊吹にはまだ自分の意思が残っているようだ。
「……何なのよあんた! 龍園相手にここまで応戦するなんて! おかげで私達が辛い目に合うんだ! それを分かってんの!?」
ため込んだ鬱憤が爆発したのか、伊吹はツっ君に飛び蹴りを仕掛ける。
ツっ君は後に下がってあっさりとその蹴りを避けた。
伊吹は何度かツっ君に向けて蹴り技を仕掛けるが、その全てが避けられてしまう。
「……くそっ! くそっ!」
「そうだな。お前達の境遇には同情する。だが、お前達が作戦に参加してるのも事実だからな。相応の罰は受けてもらう」
「ううう!」
「……でも安心しろ。後でお前達の事も俺が助けるから」
「……は?」
思いも寄らない言葉をかけられた事で、伊吹の動きが止まる。
その瞬間。ツっ君は伊吹に素早く近寄り、アルベルトの時よりも弱めの手刀を伊吹の首に打ち込んだ。
??シュっ。
「うっ……」
伊吹は眠るように意識を失ったけど、ツっ君が伊吹の体を支えた事で倒れずに済んだ。
いくら敵でも女子を地面に倒れさせることは出来なかったのかな。
(……さすがツっ君。優しいな)
気絶した伊吹を地面に寝かせると、ツっ君は龍園の方に向き直った。
「……後はお前だけだな。龍園」
「……ああ。そうみたいだな」
「覚悟しろよ。ここからは戦いじゃない。一方的な断罪だ」
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