龍園VSツナ@
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いていた。
『配置に付きました』と書かれたメールが8通と、『準備完了だ』と書かれたメールが1通。その全てに捕らえたターゲットの写真が添付されている。
メールを見た龍園はニヤリと笑い、背後に待機しているアルベルトに声をかける。
「アルベルト、下で待機だ。奴が来たらここに連れてこい。予定外の来客があれば俺に連絡を寄越せ」
「OK.BOSS」
大柄な体格を揺らし、アルベルトが屋上を去る。
そして、龍園は屋上に取り付けられた監視カメラに黒色のスプレーを吹き付ける。
「これでいい。後は坂上からの連絡を待つだけだ」
??ピロン。
「!」
その時、謀ったかのように龍園の学生証端末が再度通知音を鳴らした。
「……気持ち悪いくらいタイミングいいな」
そう言いながら、龍園は学生証端末を確認する。
通知の正体は、坂上からのメールだった。
TO 龍園
今審議が終わって、沢田が会議室を出て行った。
メールを読んだ龍園は、石崎に指示を飛ばす。
「石崎、バケツに水を二杯汲んで来い。下の階の男子トイレにバケツが2つあるはずだ」
「水ですか? そんなの何に使うんですか?」
「……いいから取ってこい」
「! すぐに持ってきます!」
石崎が急いでトイレに向かうと、龍園は軽井沢に向き直る。
「わ、私に触るな!」
「ほぉ、随分と強気だな。沢田が守ってくれると思ってるのか?」
「と、当然でしょ!」
「残念だが、あいつがくる前にお前は潰す」
「! ……ひぃっ」
冷たい目で龍園に睨みつけられ、軽井沢は小さい悲鳴を上げる。
「くっくっく……。いい表情だな軽井沢。やっぱりお前には、弱気なその表情が似合ってるぜ」
「……な、何が言いたいの」
「あ? そんなの決まってんだろ? ……いじめられっ子には怯えた顔が1番だって言ってんだよ」
「! ……な、なんで!」
なぜ龍園がその事を知っているのかが分からず、軽井沢は驚愕の表情を浮かべる。
その表情を見て、龍園は楽しそうに笑った。
「ククク。俺を舐めるなよ? 悪意には敏感なんだ。悪意に飲まれた人間ってのは、見ればなんとなく分かるんだよ」
「……」
その時。屋上の扉が再び開かれた。廊下から石崎が入ってくる。どうやらバケツに水を汲んできたようだ。
「お、お待たせしました!」
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