龍園VSツナ@
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「ガウッ♪」
そうだ。私の元にやってきたのは、ツっ君の飼っている子猫。
ナッツちゃんだった!
「ど、どうしてナッツちゃんがここに?」
「ガウッ!」
私が声を絞り出してそう言うと、ナッツちゃんは砂煙の方に向き直った。
私も砂煙の方に目を向けると、砂煙から1人の男子が現れる。
「……あ、あああ……」
その姿を見て、また涙がぼろぼろとこぼれ出した。
まるでヒーローのような登場の仕方をした彼は……。
私が叫んで助けを求めた、そして信じ続けた彼≠セったんだ!
彼≠ヘ引ずっていたアルベルトを手放し、龍園に向けて口を開いた。
「……ついに一線を超えたな、龍園」
「……沢田、来やがったか」
「ああ。俺の大事な仲間を取り返しにな」
「……はっ、お前一人で、取り返せるのか?」
「当然だ。お前達程度、数分で片づく」
「! ……言ってくれるじゃねぇか。沢田ぁ!」
砂煙を抜けて龍園の前に立った彼≠ヘ、私に微笑みながら優しい視線を向けてくれた。
「……軽井沢」
「……ツっ君」
その瞳は優しくて、それでいて悲しそうで。
私の悲しみを全て受け入れてくれる気がした。
「……すまない軽井沢。緊急連絡を受けてから15分≠熨メたせてしまったな」
「……ううん。……ううん! いいの! 来てくれるって信じてた!」
「ありがとう。……あと少し待ってろ。龍園に今回の落とし前つけさせてから、病院に連れて行く」
「……うん!」
ツっ君を見てから、すごく元気が出てきた気がする。
もう大丈夫だって思ってるのか、不安も一切なくなっているようだ。
「ナッツ、軽井沢を暖めてあげるんだ」
「ガウッ!」
ナッツちゃんが縛られた私の両腕の間に入り込んできた。
(……あったかい)
そして、ツっ君は優しい微笑みを消して龍園に向き直る。
「……沢田ぁ」
「……龍園。お前はやってはならない事をした。その報いを受けてもらうぞ」
「……ふん、やってみろよ」
「言われなくてもやるさ」
??ザッ。
ツっ君はもう一歩龍園に近づいた。
「俺の仲間や自分の仲間達を傷つけた事を……死ぬほど後悔させてやるよ」
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