第二章
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「・・・・・・何これ」
「これラブレターじゃないじゃない」
真美だけでなくクラスメイトも言った。
「どう見ても」
「これ不幸の手紙じゃない」
「最初に堂々と書いてるしね」
「三日以内に五人に送れって」
「さもないと不幸になるって」
「私はじめて見たわよ」
「私もよ」
真美はその不幸の手紙を手に言った。
「何かって思ったら」
「こんなのだったわね」
「悪戯ね、しかも懐かしの」
「こんなのして何がいいんだか」
「全く、馬鹿なことする人もいるわね」
「そうよね」
二人でこうした話をしてだった。
手紙は破いてそのうえでゴミ箱に捨てた、これで真美は手紙のことを終わらせたがその後でだった。
学校の多くの生徒が下駄箱の不幸の手紙を手にして読んだ、そして手紙をゴミ箱に捨てる事件が頻出した。
それで遂にだ、先生の間でも問題になり。
生徒集会でも言われそうしたことは止める様にまた気にしない様に言われた。犯人探しも行おうとしたが生徒集会からだった。
不幸の手紙はなくなった、それで真美は言った。
「誰がやったかわからないけれど」
「変なことする人いるわね」
「全くよ、何かと思ったら」
下駄箱の中の手紙を見ればだ。
「これがね」
「不幸の手紙なんてね」
「タチの悪い悪戯よ」
「そうよね」
クラスメイトもそれはと頷いた。
「私も貰ったし」
「何かって思うわよね」
「全くよ、こんなの貰ってもよ」
「嬉しくとも何ともないわね」
「腹立つだけよ、というか不幸の手紙貰っても」
それでもというのだった。
「別にね」
「不幸にならないしね」
「読んで嫌な気分になるだけれで」
「それを不幸って言うかも知れないけど」
「そんな不幸にならないし」
「それじゃあね」
「意味ないわよ」
そうした名前だがというのだ。
「別にね」
「そうよね」
「本当にね」
こう話した、実際に真美達も他の不幸の手紙を貰った誰もが別にどうということはなかった。そうしてだった。
騒動はすぐに風化した、もう誰の下駄箱にも手紙は入らなくなった。そして皆下駄箱にあるのは靴だけだと思う様になった。ある学校で起こった話である。
下駄箱の手紙 完
2023・6・21
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