293 更に北方へ
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山口、川村、ヤス太郎、ジャンヌやその衛兵、そしてエレーヌの総攻撃でフビライの息子達への留めが刺される。
(頑張って、通じて・・・!!)
すみ子は切実に願った。
「おおおお!!」
「ああああ!!」
「す、すみませぬ、父上・・・」
(こ、この声・・・、もしかして、やったの・・・?)
その時、すみ子の激しい胸騒ぎが弱まって行くのも見えた。
「あ・・・!!」
そしてその場にはチンキム、マンガラ、ノムガンはいなくなっていた。
「み、皆、やったんだね・・・!!よかった・・・!!」
すみ子はふと泣きたくなってしまうくらいの嬉しさだった。
「すみ子、お前も頑張ってたな!」
山口が労った。
「いや、私は何もしてないよ・・・」
「そんな事ねえよ。お前も結界を張ってあいつらの動きを止めてたじゃねえか」
「う、うん、ありがとう・・・」
「皆様、遅い夜に戦ってかなり疲れているでしょう。お休みになさってください」
「ああ」
皆は疲れた。そしてその場で休息するのだった。
朝になった。かよ子はこの日はかなり早く目覚めた。
「・・・、結構早く起きたんだ・・・」
かよ子は藤木を取り返そうとしてようやく彼がいるとされた紂王の屋敷での事を思い出す。
《僕はどうせ帰ったって皆から遠いところへ逃げた卑怯者だって言われるだけなんだ!それに僕なんか帰ったって誰が喜ぶんだい!?》
(藤木君は何としても帰りたくないって覚悟だった・・・)
そして前に聞こえたレーニンの声が思い出された。
《貴様ら藤木茂とかいう少年を奪還を目的としているようだが、仮に成功したとしても少年は喜ぶかな?》
《ああ、我が世界の人間が連れて行った。だが、連れた者の話によるとここの世界の生活を満喫しているとの事だ。果たして連れ帰っても逆に追い返されるだけだろう》
認めたくないがレーニンの言った事は本当だった。
(確かに藤木君は嫌がった・・・。でも・・・)
かよ子は簡単に納得するわけにはいかない。
(ここまで来て藤木君の言う通りにして帰るなんてできないよ・・・!!)
レーニンかつ杉山は杖および護符を奪取し、それらの能力を自身の能力として吸収する計画に入ろうとしていた。
「よいか、小僧」
レーニンが呼びかける。
「何だ?」
「今私の身体には杯と剣の能力が吸収されている。赤軍の理想では全ての道具を此方のものにするのが好ましい。だが、仮に今は奪取に手こずっているとしても私の所にあと杖と護符の能力を吸い取る事ができれば全ての人間を蹴散らし、『平和を正義とする世界』を排除する事ができるのだ」
「なら、杖と護符の持ち主を俺達の所に呼び寄せるかこっちから対面するって考えがいいんじゃねえか?」
「ああ、そして私の恨みも増した。私が前線に出
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