第二章
[8]前話
「疲れとかな」
「ううん、多分ね」
妻は夫の話をここまで聞いて話した。
「上司の人もそれがわかって」
「肩凝りとかか」
「腰や膝、多分ストレスがね」
「他の人が見てもわかる位に溜まっていてか」
「それでよ」
「休暇取らせてくれたんだな」
「無理でもね」
そうしてでもというのだ。
「取ってもらったのよ」
「そうなんだな」
「自分が気付かないうちに」
まさにその間にというのだ。
「ストレスってね」
「溜まることがあるんだな」
「特に何かに必死に頑張っていて」
最近兎に角仕事に家庭にと動き詰めで心を砕いている夫に話した。
「周りが見えていないと」
「自分のことも見えていなくてか」
「それでね」
「ストレスが溜まるか」
「けれどそれに気付いてくれたから」
三重彼女の夫の上司がというのだ。
「休ませてくれたのよ」
「そうか、そこで休ませてくれるのもな」
「いい上司さんね」
「うちはブラックじゃないからな」
ブラック企業ではないのだ、三重はこのことを幸いと思っている。
「そうしたことはちゃんと考えてくれているし」
「それじゃあね」
「ああ、ゆっくり休んでストレスを解消させてな」
そうしてとだ、三重は妻の知美に話した。
「また頑張るな」
「そうするわね」
「ああ、それでこれからは自分でも気を付けるな」
「ストレスのことを」
「自分が気付かないうちに溜まることもあるってな」
そうしたものでもあることを知って理解してというのだ。
「やっていくな」
「それがいいわ、じゃあこの休暇の間はね」
「ゆっくりとストレスを解消するか」
溜まっているそれをとだ、こう言ってだった。
三重は妻と一緒にまた温泉に入りに出た、そうして身体を癒していった。そして休暇が終わり職場に復帰すると上司に笑顔で言われた。
「元気になったな」
「そうですか」
「前までは疲れていたけれどな」
それが顔にも出ていたがというのだ。
「すっかりな」
「ストレスが解消されてですね」
「いい顔になったよ、じゃあな」
「はい、今日からまた頑張ります」
「そうしてくれ」
三重の肩をぽんぽんと叩いて言った、そうして彼の仕事を見守るのだった。その働きぶりは急か前よりずっといいものだった。
ストレスは知らないうちに 完
2023・6・20
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