第二章
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今は二人共奇麗なドレスを着て優しい顔立ちをしている、二人共背は一六〇位で石川は茶色の髪の毛を短くしていて明るい顔立ちだ。福井は大きな垂れ目で泣き黒子がある。口元は優し気で二人共スタイルもいい。
二人は富山のところに来てだ、笑顔で言ってきた。
「元気だった?」
「今どうしてるの?」
「あっ、僕は」
今の二人に意地悪そうな気配はなかった、明るく親しみやすかった。富山は二人のその雰囲気記憶にないそれに戸惑ったが。
それを受けてだ、素直に応えて自分が今大学生であることを話した。すると二人も大学生で同じ大学に通っていて。
「今同じサークルに入っててね」
「楽しくやってるのよ」
「高校は別々だったけれどまた大学で一緒になって」
「仲良くやってるわ」
「それで富山君はどうなの?」
「楽しくやってる?」
「僕は」
富山はまた答えた、そうして二人と談笑した。そこにはかつてのいじめっ子といじめられっ子の関係は何処にもなく。
懐かしい友人同士そのものだった、それで同窓会が終わってからだった。
富山は家に帰って妹に事情を話した、すると彼女は笑って言った。
「そんなものよ、子供の頃のことなんてね」
「何でもないんだ」
「今その人達に悪い印象ないでしょ」
「ないよ」
はっきりと答えた。
「今はね」
「そうでしょ、過去それも子供の頃のことなんて」
「気にしてもなんだ」
「何の意味もないから」
だからだというのだ。
「そんなことは忘れて」
「前向きになのね」
「相手の人達今は悪気ないでしょ」
「覚えてもいないかな、僕にしたこと」
「別に殴られたりあることないこと言い回られたりしてないでしょ」
「悪口言われた位でね」
「それ位のことはね」
子供の頃のというのだ。
「本当にね」
「忘れることだね」
「そんなこと一々覚えても」
それでもというのだ。
「何もならないから」
「もう忘れて」
「それでね」
「やっていくことだね」
「そうしていったらいいわ」
「そうだね、相手も変わったし大したことされてないなら」
富山は考える顔で言った。
「忘れるよ」
「ええ、じゃあ今度同窓会があったら」
「あの二人共もっと楽しくお話するよ」
こう言うのだった、そしてだった。
富山は次の同窓会では二人と前回よりも親しく話した、もう過去のことは何処にもなかった。今の彼等がそこにあった。
いじめていた女の子達が大人になって 完
2023・6・20
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