第一部
第四章 いつだって、道はある。
イタチ
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
だ。アスマもアスマで、鬼鮫の鮫肌による攻撃を受けてしまったことにより、左腕をうまく動かせずにいる。
ざぶん、と水が湧き起こってカカシにまともに打ちつけられる。と同時に、カカシが水の塊となって瓦解した。水分身ですか、と鬼鮫が楽しそうな笑みを浮かべ、そして現れた本体に向かって鋭く鮫肌を一閃させた。
ザッ、とイタチの左横に立ち、鮫肌を構える。
「そういうことですよ……これはイタチさんと弟さんの戦いだ。手出しは無しにしましょう」
上忍四人を目の前に、鬼鮫がにたりと笑う。尖った歯がずらりと並んだ。
「マナ! サスケを連れて早く――」
「ふざけるなぁッ!!」
カカシの声を遮って、サスケが怒鳴った。ぐっと拳を握り締め、紅蓮に染まった写輪眼でじっとイタチをねめつけている。
「俺はこの日の為だけに生きてきたんだ……ッ! この日のためだけに!!」
思い出せ。
心が弱って死にたいと感じた時は、何時だって何時だって、イタチのあの言葉を思い出し、彼に殺された一族の者を思い出し、心の憎しみの炎に息を吹きかけてきた。
イタチを憎みイタチを怨み、イタチを殺す、ただその為だけに自分を磨き、修行を重ねてきた。全てはこの日の為だけに。
だから誰だって、自分を邪魔することは許されない。
例えそれがナルトやサクラやカカシでも。
誰でも。
「おい、サスケ……」
捕まえて来るマナの腕を振り切る。小柄なマナがよろめいたのも、何もかも視界に入らない。ただイタチが、憎い憎い兄の姿だけが眼に映った。
「うおぉおおおおおおおおぁああああああああああ!!」
走り出す。殺せ。殺せ殺せ殺せ。うちはイタチを、殺せ。
向かってくるサスケを、イタチはじっと見つめている。
感情の読めない、写輪眼で。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ