暁 〜小説投稿サイト〜
木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
イタチ
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だ。アスマもアスマで、鬼鮫の鮫肌による攻撃を受けてしまったことにより、左腕をうまく動かせずにいる。
 ざぶん、と水が湧き起こってカカシにまともに打ちつけられる。と同時に、カカシが水の塊となって瓦解した。水分身ですか、と鬼鮫が楽しそうな笑みを浮かべ、そして現れた本体に向かって鋭く鮫肌を一閃させた。
 ザッ、とイタチの左横に立ち、鮫肌を構える。

「そういうことですよ……これはイタチさんと弟さんの戦いだ。手出しは無しにしましょう」

 上忍四人を目の前に、鬼鮫がにたりと笑う。尖った歯がずらりと並んだ。

「マナ! サスケを連れて早く――」
「ふざけるなぁッ!!」

 カカシの声を遮って、サスケが怒鳴った。ぐっと拳を握り締め、紅蓮に染まった写輪眼でじっとイタチをねめつけている。

「俺はこの日の為だけに生きてきたんだ……ッ! この日のためだけに!!」

 思い出せ。
 心が弱って死にたいと感じた時は、何時だって何時だって、イタチのあの言葉を思い出し、彼に殺された一族の者を思い出し、心の憎しみの炎に息を吹きかけてきた。
 イタチを憎みイタチを怨み、イタチを殺す、ただその為だけに自分を磨き、修行を重ねてきた。全てはこの日の為だけに。
 だから誰だって、自分を邪魔することは許されない。
 例えそれがナルトやサクラやカカシでも。
 誰でも。

「おい、サスケ……」

 捕まえて来るマナの腕を振り切る。小柄なマナがよろめいたのも、何もかも視界に入らない。ただイタチが、憎い憎い兄の姿だけが眼に映った。

「うおぉおおおおおおおおぁああああああああああ!!」

 走り出す。殺せ。殺せ殺せ殺せ。うちはイタチを、殺せ。
 向かってくるサスケを、イタチはじっと見つめている。
 感情の読めない、写輪眼で。

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