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霧の向こうのハーレム
ハーレム建設
実情
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 案の定俺は村長宅に連れて行かれた。途中で感じた視線が妙な気がしたが。

「よくきたな、大谷遼とやら。わしはムラサキ村の村長じゃ。」

 登場したのは老婆だった。ほかにも数人の女性がいる。

「早速じゃが、この島から脱出するのは不可能じゃ。潮が速すぎてな。時に遼よ、ここに来る途中何か気付いたことはないか?」
「気付いたこと?」

 特に変なところはなかったと思うんだけど。あ、そういえば女性しか見てないような。

「男の人を見ていない…?」
「左様。この島には男はおらん。女だけじゃ。」

 ・・・なに?男がいないだと?女だけだと?どういうことだ。

「驚くのも無理はない。わしらだってな。男は皆、死んでしまった。
男総出で漁に行ったとき波にのまれてな。この辺りは潮が速くてな。もう何年になるかの。」
「8年です、村長。」
「8年・・・。」

 おいおい、この展開、まさか・・・。

「この島には男がもう居らん。遼、君だけが頼りだ。」

 村長が申し訳なさそうに言う。

「島の存続のため、後ろに居る娘たちに、一人でもいい、子を宿してやってくれ。」

 やっぱりハーレム展開か!
 いつの間にか俺の後ろには数人の美少女達がずらりと並んでいた。その中には俺をここまで連れてきた鈴音も居る。

「我が儘なのはわかっている。頼む。」
「お願いします。」

村長以下大人の女性たちが頭を下げる。

「どうかよろしくお願いします。」

俺の後ろの女の子たちも頭を下げる。

「はぁ?」

 俺はわけもわからず立ち上がった。

「な、なに言ってんだよ。無理だよ、そんなの。第一彼女たちの意思を無視してまで。」

 すると後ろから声が上がった。

「いいえ違います、遼さま。私たちは自らの意思でここに来ました。覚悟はあります。」

 一番大人びた風貌の女の子が言った。

「その通りじゃ。遼よ、彼女たちはこの村の娘のほんの一部じゃ。全員ではない。
見知らぬ男に体を任せる覚悟ができておる。
すぐにとは言わん。彼女たちと仲良くしてやってくれ。」
「遼、お願い。」

 ついには鈴音まで言い出した。

「・・・わかりました。ここから出られないなら俺は自分のなすべきことをしますよ。」

 部屋の中にどよめきが走る。

「ただし、俺の心の整理がつくまで待ってほしい。それまではそういうのは無でお願いします。」
「よかろう。皆もよいな?」
「はい。遼さまがそうおっしゃるなら。」
「そういうことだ。頼んだぞ。鈴音、遼を案内してやれ。」
「はい。遼、来て。」
「あ、おい、待てよ。」

 俺は鈴音に手を引かれて村長宅から連れ出された。夕日が沈みかけている。

「ここが今日から
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