暁 〜小説投稿サイト〜
霧の向こうのハーレム
ハーレム建設
遭遇 2

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 崖沿い歩いて行くと小屋のある広い砂浜に出た。所謂海女小屋のように見える。傍らにはボートが打ち揚げてある。今度こそ人に会えるかもしれない。
 おれは小屋に歩いていき、もう少しというところで足音が近づいてくるのを聞いた。森の方から何か来る。またクマか?
 しかし出てきたのはクマではなく犬だった。野犬?俺を見るや否や牙むき出しにして唸り出したけど。もしかして俺ここでやられちゃうの?俺はまだ死にたくない。

「ブレイヴ、どうしたの?」

 女の声?どこから。
 犬が出てきたあたりから一人の女の子が出てきた。手には弓を持っている。
 女の子は俺を見ると驚愕の色に染まり、すると彼女はいきなり弓を構えた。

「あなた、何者?」

 え、なに?何が起こったの?

「えっと、おれは大谷遼。とりあえず怪しい者じゃないから。」
「大谷遼、やっぱり違う。私は滝鈴音。あなたどこから来たの?」

 身分を明らかにしただけでは弓は下してくれないらしい。

「海の向こうから、かな?」
「海の向こう?流れてきたの?あなた。よく生きていられたわね。」

 ようやく女の子、改め鈴音は弓を下してくれた。

「漂流民ならいいか。ついて来て。村に案内するわ。」

 そう言うと鈴音は踵を返し森に入っていく。犬も彼女についていく。ついて来てといわれたので俺もついていく。ゲームとかだとこの後俺は村長宅に入れられチュートリアルを受ける。ふっ、面白くなりそうだな。
 道中一切の会話はなかったが目の前で揺れるポニーテールを見ているのは案外楽しかった。ついついつかみたくなったが、間に犬がいるためできなかった。そうこうしているうちに見事な環濠と土塁のある村についた。

「ここがムラサキ村よ。」

 とうとう来てしまった。
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