第二章
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「こうしたことをするのも」
「ああ、石がな」
「雛になったら」
「マーフィーはどうするか」
「親になればいいですね」
「二羽のな、そうなってくれることを願いながらな」
そのうえでというのだ。
「見ような」
「そうしましょう」
ルースも頷いた、そうしてだった。
状況を見るとだ、巣から戻ったマーフィーは。
雛達を見て最初何だという顔になった、その日はそれで終わりだった。その翌日。
マーフィーが巣を出て近くを歩いていると。
二羽も巣から出て彼についてきた。
「クワ」
「クワァ」
「クワッ」
マーフィーもそれに気付いた、それでだった。
近くにいた虫を捕まえて二羽にやった、それはまさに親子の姿で。
そこからマーフィーは彼等の親となった、二羽も彼に育てられすくすくと育っていっていた。その光景を見て。
上司はルースに笑顔で話した。
「狙い通りになったな」
「そうですね、これでマーフィーは親になれて」
「自分がなりたいな」
「子供達も救われました」
「まさに誰にとってもいいな」
「ウィンウィンになりましたね」
「本当によかった、石よりもな」
それよりもというのだ。
「やっぱりな」
「実際の子供の方がいいですね」
「雛の方がな、それじゃあな」
「これからはですね」
「マーフィーは親として生きてな」
「あの子達も育てられて」
「大きくなる、どんな生きもののその願いが邪悪なものでないなら」
それならというのだ。
「願いは適えられるべきでな」
「それで、ですね」
「幸せになるべきだ、命もな」
「邪悪でないならですね」
「助かるべきだ、じゃあこれからもな」
「彼等の幸せをですね」
「見ていこうな」
「はい、これからも」
ルースは笑顔で頷いた、そうしてだった。
マーフィーと雛達を見た、見れば雛達はもう雛でなくなっていた。そのうえでマーフィーと共に巣の中にいて一緒に餌をたらふく食べていた。
父親になったハクトウワシ 完
2023・6・16
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