第一章
[2]次話
犬達が愛するぬいぐるみ
デトロイトでディレクターをしつつ動物保護施設で共同経営者にもなっているゲイル=モンゴメリー青い目と金髪で面長の顔と長身を持つ彼はその通報を受けてだった。
一匹の雌のジャーマンシェパードを保護してからスタッフに言われた。
「この娘有名みたいですね」
「そうなのかい」
「最近この街で見た人が多いとか」
「クゥ〜〜〜ン」
見ればぬいぐるみを咥えている、そのぬいぐるみは随分傷んでいる。
「誰かがニッキーと名付けて」
「それでか」
「皆そう呼んでいて。前は飼い主さんがいたんですが」
スタッフはニッキーを見つつ話した。
「それがです」
「ああ、飼い主さんが亡くなったかな」
「それからは身寄りもなくて」
「一匹で街にいたんだね」
「ずっとぬいぐるみを咥えて彷徨っていたそうです」
「ぬいぐるみは飼い主さんからのプレゼントだったんだね」
モンゴメリーはこのことを察して言った。
「そうだね」
「はい、その思い出の品を肌身離さず」
そうしてというのだ。
「持っていまして」
「それでだね」
「ずっと一緒なんです」
「成程ね」
「それで保護されたんですが」
「すぐに獣医さんに診てもらおう」
モンゴメリーは他の自分達の施設に保護された生きもの達へ行うことをしようとスタッフに話した。
「そして病気は治療して」
「里親さんも探しますね」
「今回は」
ニッキーが今も咥えているぬいぐるみを見つつ話した。
「診察を受けている間ぬいぐるみをなおして」
「そうしてですか」
「この娘に返そう、ご主人との思い出の品なら」
街を彷徨っている間もずっと離さないまでに大事にしているならというのだ。
「私達もだよ」
「その気持ちを汲み取ることですね」
「そうしないと駄目だからね」
それ故にというのだ。
「ここはね」
「わかりました、それじゃあ」
「そうしよう」
こうスタッフに話してだった。
ニッキーに実際にそうした、そのうえで。
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