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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第2話
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「ほらほら、頑張れ頑張れ」
城壁に腰掛け、モンスターの群れと戦う兵士達を見下ろすハドラーちゃん。
「今夜の為にカール王国に雇われたんだろ?もっと頑張らんと、お駄賃貰えないぞ?」
口では冗談交じりの侮辱する様な応援をしているが、内心では本当に人間の方を応援しているハドラーちゃん。
(マジで頑張れ!この程度の苦難如きで心が折れてる様では……大魔王バーンの地上全壊から生還出来んぞ!)

事は1週間前。
ガンガディア達を玉座の間に呼び集めた時の事。
「大魔王バーン!?」
「魔界の神、バーン?」
「魔界の奥深くに、その様な化け物が!?」
一同が驚く中、ハドラーちゃんが安心させる様に言う。
「だが安心しろ。俺はこれからこの地上を手に入れる。だがその前に、あのボケ老人を処刑しておかねばと思ってな!」
「出来るのですか?その様な事を!」
一同の不安をよそに、ハドラーちゃんの決意は固い。
「あのボケ老人はとんでもない失敗作だ!くだらん太陽崇拝精神を持ち合わせ、平気で嘘を吐いて利用する!挙句には、もう直ぐ俺の物になる筈だった地上の全てをまんまと消し炭にしてしまう大失態!地上の覇者となるべき魔王軍では、あのボケ老人の様な不良品は……絶対に作らん!」
一旦クールダウンしたハドラーちゃんは、改めて一同に指示を出す。
「さて……バーンの処刑を念頭に入れた上での今後の動きだが……先ずはブラス!」
「はっ!」
「お前は、俺の配下から強者を何人か選び、別の場所で再教育を施せ」
「はっ!既にその場所の目星は着いております!」
ブラスの言葉を聞いて、初めてダイと戦った時の事を思い出す。
(そうそう。アバンの使徒達と本格的に戦ったのは、こいつが今言ったデルムリン島が初めてだったんだよなぁー。あの時の俺は、我ながら本当に分不相応な偉さを持っていたよなぁー)
「次にバルトス!」
「はっ!」
「お前は……いつも通り地底魔城防衛の指揮を執れ。ヒュンケルの事もあるしな」
「了解いたしました」
ハドラーちゃんが再び過去の事を思い出す。
(ヒュンケルの奴、本当に元気に育つよ。超魔生物になる前の俺の心臓を2つも砕く程にね)
「後はキギロ」
「はっ!」
「例のマンイーターを使った計画は順調か?」
「はーい!順調に魔の森は広がり続けておりますぞ!」
ハドラーちゃんが更に過去を思い出す。
(何だかんだで……キギロが俺がアバン達に送り込んだ刺客第1号みたいな事になっちゃったんだよなぁー)
ハドラーちゃんが一旦溜息を吐くと、ガンガディアを凝視した。
「最後にガンガディア……頼みがある」
「はっ!」
「俺はしばらくヨミカイン遺跡の魔導図書館に寝泊りする。あのボケ老人を処刑するうえで欠かせない事だからな」
「はい。かしこまりました」
ハドラーちゃん
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