暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第156話:知られざる父の姿
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オペラハウスに侵入した際ガルドが撮影した錬金術師3人の姿をモニターに映し出す。

 正面のモニターに映る3人の錬金術師、サンジェルマンとカリオストロ、そしてプレラーティ。颯人はその中で男装の麗人であるサンジェルマンに注目していた。

「ん〜……うん、やっぱりそうだ。俺、この白髪の錬金術師に見覚えがある」
「何? 何処でだ?」
「ちょっと待った、今思い出す……」

 颯人は必死に記憶の糸を手繰り、サンジェルマンを見た時の事を思い出そうとする。だがなかなか思い出せない。確かに覚えはあるのに、何時何処で出会ったか思い出せない。そのもどかしさにウンウン唸っていると、同じくサンジェルマンの画像を見ていた奏が何かに気付いたように声を上げた。

「あれ? ちょっと待った……」
「奏? どうしたの?」
「もしかしたらだけど……アタシもこの錬金術師見た事あるかも」
「えッ!? 奏も?」

 まさかの情報に全員の視線が奏に集中する。何しろ颯人だけでなく、奏までもがサンジェルマンを見た事があると言うのだ。場合によってはずっと前から、パヴァリア光明結社は颯人や奏だけでなくS.O.N.G.の戦力である彼らの周りを嗅ぎ回っていた事になるのだから。

 場合によっては響やクリスの前にもサンジェルマンは姿を現していたのではないか? そう危惧する弦十郎だったが、それは颯人の口により否定された。

「俺と奏が見た事がある……つまり俺と奏が一緒に居た頃に見た事がある? ガキの頃の話? ガキの頃…………あッ!」

 そこで颯人は漸く思い出した。サンジェルマンの事を何時、何処で見た事があるのかを。

「思い出したッ! 奏、覚えてるか? ガキの頃父さんのマジックショーの公演を見に行った時の事」
「あぁッ! そうだあの時ッ!」










 まだ颯人と奏が共に居ただけでなく、颯人の両親が事故で命を落とす前の事。

 輝彦がある会場でマジックショーをすると言うので見に行った2人は、親族特権で輝彦の控室に突入していた。そこで2人は、ショーが始まる前のウォーミングアップ感覚で輝彦の手品を見せてもらっていた。

「2人共、よ〜く見ておけ?」
「「ゴクッ……」」

 真剣に自分の手元に注目する子供達に、輝彦は笑みを浮かべて握った掌の中から鳩を出現させた。一体どこから出てきたのか分からぬ鳩が部屋の中を飛び、そして輝彦が掲げた帽子の中に消える様子に目を輝かせ歓声を上げた。

「おぉぉ〜っ!! スゲェッ!!」
「颯人颯人ッ! あれ出来るか?」
「ちょっと待て……!」

 早速真似しようとする颯人であったが、当然タネも仕掛けも分からぬのであれば出来るようなものではない。それでも何とか自分の手品を再現しようと悪戦苦闘する
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