暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第156話:知られざる父の姿
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噤み、それ以上は何も言わなかった。

 落ち着いた頃合いを見計らって、弦十郎が本題に入った。

「さて、まずはこれを見てほしい」

 彼の言葉に合わせて、正面のモニターに画像が表示される。そこに映し出されたのは、先のバルベルデのオペラハウスで撮影された結晶に包まれたティキの姿であった。

「これは……?」
「私達がバルベルデ政府の秘密施設に潜入した際に記録した、人形の映像よ」

 当時の事を思い出しながらあおいが告げると、モニターを見ていた響がその正体に気付いた。

「もしか……オートスコアラー?」
「ッ! そうか、何処かで見た事あると思ったら……!」

 共に潜入しその姿を見たガルドは、ティキの姿に既視感を覚えていた。あの時はそれが何なのか思い出せなかったが、言われてよく見れば各部が魔法少女事変の際に何度も対峙したキャロルのオートスコアラーに類似する点が幾つもあった。

「んじゃあ、これもキャロルが作ったのか?」

 奏がエルフナインの隣に居るキャロルの方に目を向けるが、彼女は身に覚えが無いのかモニターの画像と奏を交互に見ている。その様子からは、何かを思い出せている雰囲気は感じられない。

「前大戦時、ドイツは化石燃料に代替するエネルギーとして多くの聖遺物を蒐集したと言う。その幾つかは、研究目的で当時の同盟国である日本にも持ち込まれたのだが……」

 その持ち込まれた聖遺物と言うものに、覚えのある者が何人か居た。そう、奏と響の纏うガングニールに、クリスのイチイバル、そしてネフシュタンの鎧だ。

 だがドイツがかき集めた聖遺物の全てが日本に持ち込まれた訳では無い。戦後に亡命したドイツ高官により、南米に渡った聖遺物も多かった。
 この人形もそうした経緯でバルベルデに辿り着いたのだろうと言われている。

 その全てが明らかとなる鍵が、翼とマリアの持ち帰った機密資料にあるかもしれなかった。

「翼とマリア君が襲われた事から、パヴァリア光明結社の錬金術師が日本に潜入している事は明らかだ。くれぐれも注意を怠らないでほしい」

 弦十郎はそう締めくくって、今後パヴァリア光明結社からの襲撃が増える可能性がある事を颯人達に告げた。

 それを聞いて、颯人の脳裏をよぎったのは何やら意味深な雰囲気を見せたサンジェルマンである。今思い返せば、やはりどうにも初対面と言う気がしない。

「ん〜…………」
「どした、颯人?」
「……なぁ、例のパヴァリアの錬金術師を映した映像とか画像って無いの?」
「ん? どうした急に?」
「ちょっと気になる事があってさ」
「ふむ……藤尭?」

 颯人が意味も無くこんな事を言う訳がないと分かっている弦十郎は、朔也に指示を出して何かないかと探させる。指示を受けて、朔也は
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