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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第156話:知られざる父の姿
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有無を言わさぬ気迫を声に乗せてそう告げると、アダムは一方的に通話を切った。物言わぬ受話器を手に、サンジェルマンは冷静な彼女に似つかわしくない苦虫を噛み潰したような顔をするのだった。
***
一方その頃、日本に向けて一機の旅客機が飛行していた。S.O.N.G.が手配した特別機である。その機内には、翼とマリアの2人が乗っている。颯人や奏達が一足先に帰国したのに対し、2人はバルベルデ政府が保有していた資料を持ち帰ると言う任務を帯びていたのだ。
しかしその旅客機が突如アルカノイズの襲撃を受けた。下手人はカリオストロとプレラーティ。2人は翼達が残って他の装者達とは別に帰国すると言う情報を掴み、先回りして奇襲を掛けたのである。
突然のアルカノイズの襲撃により、特別機206便は撃墜。パイロットを始めとした搭乗員は全滅したが、翼とマリアの2人は何とか自力で脱出し帰国に成功。本部へと帰還を果たした。
尤もその話を聞かされた仲間達は、心中穏やかではいられなかったが。
「翼ッ!」
「先輩ッ!」
「翼さんッ!」
「マリアッ!」
「デス、デス、デースッ!」
翼とマリアの2人が帰還報告の為発令所に居ると、奏を始めとした装者達が大慌てで入って来た。その様子に2人は苦笑しながらも自分達と目的の資料の無事を仲間達に知らせた。
「大騒ぎしなくても大丈夫。バルベルデ政府が保有していた資料はこの通りピンシャンしてるわよ」
そう言ってマリアが無傷のトランクを掲げてみせるが、奏達にとっては資料よりも翼達の身の安全の方が余程重要であった。
「アタシらが心配してんのはそっちじゃないよ」
「敵に襲われたんですよね? 本当に無事で良かった」
「帰国早々、心配かけてすまない。気遣ってくれてありがとう」
実際シンフォギアを纏える翼はともかく、マリアの方は一歩間違えばアルカノイズの攻撃か海面に叩き付けられて命を落としてもおかしくない状況であった。そういった意味でも、響達が心配するのは至極当然の事。翼達の五体満足な姿に、彼女達は心底安心し胸を撫で下ろした。
「しかし、帰国途中を狙ってくるとはね。やっぱり俺かガルドのどっちかが付いてた方が良かったんじゃねえか?」
「そうもいかないわ。即応性を考えたら、あなた達魔法使いには情報が集まり易い本部に居てもらう方が適切だもの」
「それに、曲がりなりにもこちらの動きは隠されていたんだ。それを看破され先回りされた、相手の情報収集能力が上手だったと言うだけの事」
悔いる颯人だったが、今回は相手が一枚上手だったと翼とマリアが素直に負けを認めた。こうなると颯人としては何も言えなくなる。ここであれこれたらればの話をするのは逆に見苦しい。大人しく颯人は口を
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