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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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 日曜日の朝、桔梗がなかなか起きてこないので、私は起こしに行ったのだけど・・・今日は、お店の若い男の人が法事とかでお休みしていて、お昼の仕出しも普段よりも多いので、私も桔梗も手伝うことになっていたのだ。昨日も夕ご飯の時間になって桔梗はようやく帰って来て「ご飯 要らない お風呂入って寝るネ」と、不機嫌なのか勝手なことを言って部屋にこもってしまっていた。

 やっと起きてきたかと思ったら、髪の毛はぼさぼさでパジャマのままなので

「桔梗 早く ご飯済ませて お店手伝うからネ」と、私が少しイラついて・・

「ウチ 友達と約束してんネン 食べたら 出掛ける お母さんには話してある」

「えぇー そんなん 又 男の子達も一緒?」

「そうやー ウチはお姉ちゃんとちごぉーて もてへんからな 誘われたら行くんやー お姉ちゃんは美人で男の子達に人気あるからモテモテで男も選べるやろーけどな それに勉強も出来るし、スポーツもな もっとも、最近はあのことがあるから評判ガタ落ちやけどなー」

 桔梗は食パンにハムと炒り卵を乗せて、さっさと食べて、洗面所に消えて行った。この頃は話し掛けると異常なほど反抗してくるのだ。まるで、敵意を抱いてかのように・・。今年に入ってからだんだんとひどくなってきていた。少し前までは、一緒にお風呂に入ったりして仲が良かったのだけど・・今は、別々に入るようになってしまった。だけど、夏に脱衣所ですれ違った時、桔梗は最近ぽっちゃり気味になってきたせいか、胸なんかも私よりもふっくらとしていて、下着も中学生の割には派手なものを身に着けているのだ。そして、今日も目立つ恰好で出掛けようとしているみたい。

 お母さんも知っているはずなのだけど、桔梗には小言も言わないのだ。お父さんも、見て見ぬ振りをして、無関心を装っている。私も、最近、段々と話すのも嫌になってきていたのだ。

 お店の手伝いはお昼前に終わったのだけど、その後、予約のお昼のお客様が数名あるとかでお父さんとお母さんはカウンターで接客していたので、私は奥で洗い物とかをしていた。今夜の予約は入っていないってことだったので、今晩は家族揃った夕食が出来るのだろうと、私は、その時は少し期待していたのだ。

 その夜、7時になっても桔梗はまだ帰ってなかったのだ。食卓には、お父さんが作ったものが並んでいた。

「うわー おいしそうねー」と、少しでも、私は盛り上げようと

「あぁ この桜鯛の押し寿司は山葵が好きなものだろう それに、栗ご飯と里芋の煮っころがしは桔梗の大好物なんだ」と、お父さんもお酒を飲みたいのも我慢して待っていたのだ。だけど、8時になっても帰ってこないものだから

「もう 待つことないよ 食べようよー」と、私は冷蔵庫からお父さんにビールを持ってきた。そして、食べ
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