希望じゃない
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は足を止め、振り返る。すると、森からボロボロの姿で、ハルトにとってよく見知った青年が走ってきていた。
「ぜえ、はあ……やっと……見つけたぜ」
「真司!?」
城戸真司。
ハルトが召喚した、ライダーのサーヴァント。衣替えで購入したと言っていた中古の服装で、彼は息を絶え絶えに山道にやってきていた。
「よかった、無事だったか……!」
「何でここに……?」
「皆で見滝原山中を探し回ってたんだ。可奈美ちゃんもすごい心配してるぜ」
「見滝原山?」
真司の言葉を聞いて驚いて、改めて周囲を見渡す。
よく見れば、近くの川には見覚えがある。以前、ムーの遺跡にコウスケ、ほむら、キャスターと訪れた時、この場所にも足を運んだことがある。
そう思い返せば、確かに荒野にも見覚えがある。荒野だと思っていたこの場所は、以前ムーの力によって暴走したほむらが焼き尽くした森ではなかったか。
「ここ、見滝原山だったのか……随分と遠くに連れて来られたな」
「俺は龍騎になって、ミラーワールド経由で来たからな。多分、可奈美ちゃんもすぐに追いつくよ」
「そんなに?」
「ああ。ここのことはコウスケや響ちゃんから聞いて、二人と、あと友奈ちゃんも探してるぜ」
「何か随分と大事になってる……」
ハルトは戸惑いながら、海東からヘルメットを取り上げる。
「おやおや。君は城戸真司……仮面ライダー龍騎か」
ヘルメットを取られた海東は真司を見ながら頷いた。
海東の存在に気付いた真司は、きょとんとした顔で海東を見つめる。
「えっと……どこかで会ったか? 俺は初めましてな気がするんだけど」
「気にしないでくれたまえ。それより、まさか僕が知る仮面ライダーもいるとは」
「あっれ? 会ったことあったかな?」
真司は思い出せずに頭を掻く。
海東はそれ以上真司へ意識を割くことなく、発射を促す。
「それよりもさあ、早く出発したまえ」
「俺早くこの人から離れたいんだけど」
ハルトはジト目で海東を睨む。
海東は「やれやれ」と首をふり、足を大きく翻し、マシンウィンガーから降りる。やがて手を銃の形にして真司へ向ける。
「龍騎。そういえば、君が持っているカードデッキもいいお宝だよね」
「な、何だよ?」
真司はポケットの中のカードデッキを守るように抑える。
だが海東は気にすることなく、飄々とした態度を続けていた。
「いいお宝、是非僕のコレクションに加えたいな」
「いきなり何言い出してるんだよアンタ!? や、やらないぞ!」
海東の泥棒宣言に、真司は驚く。
「さあ、どうしてくれようか」
「おいアンタ、さっきまで仲間のディケイドにあれこれやられた直後だよね?」
真司を
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